症例報告(11/19UP)

2024-01-06 16:21:00

小趾基節骨骨折(足の小指の骨折)

意外に簡単折れる?!

 

足の指の骨折

小趾基節骨骨折

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今回の患者さんは、もともと当院に四十肩治療で通院されている患者さんでした。

その日、足を引きずって来院されたのでどうされたのか聞いてみると

「2日前に荷物の入った段ボール箱に足をぶつけてしまった」

とのこと。

 

足の引きずり方や受傷理由が気になったので、見てみることにしました。

 

年齢は40代男性、既往としてDMあり。

右小趾基節骨部に強い圧痛と皮下出血班を認めました。また外転や屈曲をした際の運動時痛も著明、もちろん荷重時痛もあり。

私の経験上、この状態はほぼ折れていると思われます。

もちろん、このまま骨折と判断し整形外科受診を勧めることもできますが、エコーにて確認したほうが患者さんも、納得いたします 。

 

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エコーで確認後、やはり基節骨で骨の不正像が見つかりました。さらに若干の転移も見られましたので、応急的に牽引整復を行い、テーピングによる固定を行い、患者さんに紹介状とともに整形受診を指示しました。

 

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足趾骨折の固定には、バディーテーピングが好ましく感じます。

転移が強かったりした場合はシーネ固定も考えますが、シーネ固定は関節拘縮のリスクがありまた荷重した時点で転移が起きてしまうため、松葉杖による免荷の方が効果が高く、そちらも考慮します。

 

足趾の骨折は第2趾~第5趾では基節骨が多く、母指では末節骨が折れることが多いと言われています。

 

 

整形外科は紹介後、当日受診され骨折の診断を受けられ、休みの都合上、整形受診後4日後に当院へ来院。

整形医師からの報告書及び後療の同意を口頭で得ており、患者さんが早期治癒を希望されたため、LIPUS治療を開始しました。

 

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LIPUS(低出力超音波パルス療法)

骨折部位に微弱な超音波を断続的に照射する治療法(低出力超音波パルス療法)で 骨癒合が促進されます。 骨癒合期間が約40%短縮されたとする臨床研究の報告もあります。

 

月曜日から毎日通院されて一週間、当初は運動時痛と圧痛、荷重時痛を訴えられていましたが、金曜日ごろから圧痛、運動時痛が軽減し始め、一週間後の月曜日にはほぼ消失いたしました。

 

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 固定を除去し、私生活でも通常通りの生活を送るよう勧めましたが、屈曲伸展動作で若干の制限が見られたため、ROM訓練を行い機能回復を図っていきます。

 

LIPUSを約2週後、受傷後22日目、圧痛も完全消失となり、LIPUSは終了となり、ROM制限もほとんど見られなくなったため、経過観察に切り替え、年明け後のエコーにて治癒を予定しております。

 

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通常、「足趾の骨折は3週間固定の4週治癒」と言われるが・・・

 

今回、受傷から治癒予定までLIPUSを使って3~4週でした。

通常、足趾の骨折は保存療法がほとんどで、3週間固定を行い、4週目に治癒、とされることが多いのですが、何をもって治癒とするか、という見解があり、この「4週治癒」とは骨癒合上の治癒とされると思います。

実際は、骨癒合4週で得られても、関節可動域訓練が必要だったりと日常生活では不便さが残り、患者さんの視点では「治癒」とは言い難い状況だったりします。また3週間も固定すればその分関節拘縮のリスクも高まり、場合によっては後遺症にまでなってしまうこともあります。

 

私が足趾の骨折にLIPUS治療を強く勧めるのは、足趾の骨折は固定が難しく、かと言って完全免荷(松葉杖歩行)だとADLが急激に低下してしまうため、なるべく早く骨癒合を得たいからです。関節拘縮のリスクも回避され、日常生活への復帰も飛躍的に早まります。

 

「足指の骨折は、放っておいても治る」けど、早く治しましょう。

 

 

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当院で使用するLIPUSは厚労省認可の機器

伊藤超短波 オステオトロンV

となります。毎日20分の照射が好ましく毎日通院する必要がありますが、リスク等はなく、照射による刺激等もありません。

 

 

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2023-12-05 15:10:00

アキレス腱炎~放っておいてはダメ!~

「放っておいては危ない」アキレス腱炎

 

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今回来院された患者さん

30代男性 スポーツ活動はバスケット(週一で練習、大会などのゲーム出場のレベル)

8月ごろにサンダルで長時間歩行された後にアキレス腱部分が痛みはじめ、当初は他の整骨院さんで加療を行ったものの、同時に多忙になり通院しなくなり放っておいたところ、10~11月ころにまた気になり始め、今度は整形外科受診。レントゲン検査でアキレス腱炎の診断を受け、シップ処方のみで痛みが改善されず不安に感じ、当院でのエコー検査を希望されて来院。

 

医科にてアキレス腱炎の診断を受けていましたが、念のため当院でもエコー検査を実施。

レントゲンではアキレス腱の陰影は映すことが可能でアキレス腱断裂の場合はレントゲンのみで判別可能ですが、アキレス腱炎となる判別は難しいと思われます。しかも、稀ですが、アキレス腱炎だと思っていたらアキレス腱が部分的に断裂を起こしていた、という症例もあります。

 

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アキレス腱部の長軸撮影。右が患側。アキレス腱実質部の肥厚がわかる。

また、炎症部分も存在しているため、炎症を抑えつつ腱実質の柔軟性を出す必要性がある。

 

アキレス腱炎を放っておくと?

 

アキレス腱炎はしっかり治療をしないと慢性的となることが多く、また腱実質の柔軟性が損なわれておりアキレス腱断裂へと繋がることもあるので、しっかりと治療したいところです。

 

当院の治療法

 

慢性的なものなのか、急性的なものなのか、慢性的でも腱実質の肥厚だけだったり、今回の様に炎症が見られることもあります。

 

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ラジオ波と腱炎系の治療の相性は抜群

 

まずはエコーで病状を確認し、腱実質の肥厚を伴っているのであればラジオ波を使った温熱治療+手技療法、炎症が見られるようであればハイボルト、そうでなければマイクロカレントなど、使い分けて治療していきます。

 

治療期間・通院頻度は?

 

急性の場合であれば、「太く短く」、慢性であれば「細く長く」と考えます。

前者であれば可能な限り沢山来ていただいて短期間で終わらせられるよう努力していきます。

後者であれば、あまり意気込むと通院疲れを起こし結局完治しないことが多いため、週1とか週2でマイペースな通院を指導します。また、併せて自宅でのトレーニングも指導していきます。

 

今回の治療に限ったことではありませんが、マイペースとはいえ「2週間に一回」とか、「月一回」では、それはさすがに良くならないと思います。その場合、私も責任は持てないので当院での治療は諦めていただくかもしれません。

 

2023-11-18 13:00:00

ふくらはぎの肉離れ~60代女性~

今回は、再び腓腹筋肉離れの症例報告です。

 

患者さんは60代女性で一昨日にクラッシックバレエの練習中、つま先立ちをした際にふくらはぎに痛みを感じた、との事。昨日、一日様子を見ていたがなかなか痛みが引かず、また週末にイベントを控えており、早期回復を希望され来院されました。

 

問診にて、受傷時POP音はなかったとの事。

圧痛部位が腓腹筋内側頭やトンプソンテストが陰性だったため、アキレス腱断裂でなく腓腹筋肉離れと推測できます。

また腓腹筋部に陥凹はないため、中軽度の肉離れかもしれません。 

 

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ちなみに、腓腹筋肉離れとの鑑別にアキレス腱断裂が挙げられますが、アキレス腱断裂を示唆するもっとも有名なテスト方法がトンプソンテストです。

 

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「トレシピ!」より抜粋(アキレス腱断裂 | トレシピ! (trecipe.jp)

 

以上の検査や触診で大体の判断はできますが、やはりエコーで確定判断をしたほうが患者さんも安心します。

 

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腓腹筋肉離れはヒラメ筋との境界部で起きやすい。受傷初期の処置が不十分だったりすると血腫が筋膜に沿って広がり消失するのに3~4か月を要することがあり、瘢痕化しやすくなる。

 

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エコーで見る限りは、大きな肉離れではないようです。しかし、ここで処置が不十分だと血腫が広がり治癒が長期化する上に、瘢痕化ししこりのような硬さがずっと残ってしまうことがあります。

 

十分な処置とは「RICE」処置です。

Rest(安静) Icing(アイシング) Compression(圧迫) Elevation(挙上)

 

★圧迫固定は弾性包帯(バンテージ)で

 

当院では軽度の肉離れには包帯圧迫にて対応します。

私は、患者さんご自身でも巻けるよう、綿包帯は使わず弾性包帯を使うようにしています。

綿包帯は、いかにも柔道整復師らしさがでますが、綿包帯で腓腹部を捲き上げるにはそれなりの修練が必要で、例えば、患者さんが入浴時に包帯を外した後、自分で巻かなければならない状況を考えたとき、綿包帯よりも弾性包帯の方がまだ簡易に巻き上げられます。もちろんその包帯巻きの指導も致します。

 

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★テーピングは使わない

 

最近は、外傷に対してテーピング固定で対応している接骨院・整骨院さんが多いように見受けられますが、テーピングはあくまでも応急用や予防用であり、治療として固定を行うのであれば包帯の方が優れているように感じます。テーピングは固定力が十分ではなく、また長時間貼布を行っていると皮膚がかぶれてしまうのが難点です。また、シップや炎症止めクリームを塗布したりする場合やシーネ固定にも包帯のほうが向いています。

同様に、「サポーターでもよいですか?」とよく聞かれますが、確かにサポーターは装着が簡便なので患者さんとして使いたくなるのは解りますが、やはり固定力が不十分だと感じます。飽くまでもサポーターはサポート(補助)するものであると思ったほうがよいです。

 

★外傷初期の施術はハイボルトがメイン

 

包帯圧迫の処置とともに、まずは損傷個所の炎症と痛みを抑える為にハイボルト治療を行います。

ハイボルトは

①疼痛抑制効果

②血流循環増大効果

③浮腫の軽減作用

が期待でき、急性期の外傷向けの施術です。

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★肉離れの早期回復のカギは、ラジオ波による温熱治療

 

固定期間が長ければ長いほど、筋肉や関節の拘縮の恐れが出てきます。即ち、「復帰」の遅れとなりますが、当院では早い段階でラジオ波による温熱療法をリハビリに取り入れ、拘縮予防を行うことでスポーツや日常生活への復帰を早める施療を行います。

ラジオ波は筋肉系の治療に高い効果が期待できるのです。

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「早く治すと、患者さんがすぐに来なくなるから、うまい具合に引き延ばせ」

 

と、昔、アルバイト時代の整骨院の先生に言われたことがあります。

はたしてそれは、患者さんにとって良い事なのでしょうか?

‘患者さんの不利益になってはならない‘・・・早く治した方が良いのです。

 

今回は受傷後、僅か4日目でラジオ波によるリハビリを開始しました。本来ならば一週間ほど様子を見るのですが、患者さんは週末のイベントに参加することを目標として当院に来院されております。当院としては、その患者さんの思いをなるべく実現できるよう最大限努力するだけです。

 

もちろん、エコーによる経過観察下においてのリハビリとなります。早くしてもエコーにて血腫の拡大が確認されればその時点でリハビリは中止とし安静を指示します。

 

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加療後6日(受傷後8日)にてエコー観察。

血腫が徐々に消失してはいるものの、まだまだ筋膜の乱れがあり、組織の器質化も懸念される状態

 

血腫は徐々に消失してきてはいるものの、まだまだ瘢痕化する恐れがあり、慎重にラジオ波によるリハビリを行っていきました。

患者さんもほぼ動作時痛が消失し、週末のイベントにも無事参加されました。

 

まだまだダンスへの本格復帰は待たなければなりませんが、経過良好の為、受傷後2週間で週1回の通院指導にし、自宅でのトレーニングを指導致しました。

また、治療終了後も、ケガ予防のための定期的なお身体のメンテナンスも指導していきます。

 

 

2023-10-26 18:11:00

足首の疲労骨折~ジョギング中の突然の痛み~

今回の症例は脛骨内果部の疲労骨折です。

 

今回の患者さんは、40代女性の方で5月よりランニングを始められ、その後トレランをやったりマラソンを走ったりと、強度の高いランニングを行っていたようです。練習も熱心で、5~10㎞のランニングを週3以上で行っていたそう。

 

数日前にランニングを終えた後、左足首に違和感を覚え、その夜から腫れてきてそれでも走り続けていたら、歩行時にも痛みを伴ってきたため、心配になり当院に来院されました。

 

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問診時にランニング歴などのお話を伺い、足首を見せてもらいました。お話を伺った時点で想定はしていましたが、脛骨内果部に腫脹を確認、触診にて限局性圧痛も確認できたため、ほぼ確信いたしました。

 

脛骨内果部の疲労骨折は比較的少ない症例ではありますが、典型的な症例です。

 

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これだけの臨床症状で十分疲労骨折と判断できますが、患者さんを納得させるためにも、そして判断材料の補完のためにも、エコーにて撮像を行います。

 

 

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疲労骨折初期の場合、骨皮質に変化はないが骨膜反応が起きており、

エコー像においては骨表面に黒い低エコー像が描写される。

 

エコー像はレントゲン像と違い骨の全体像が映らないため、見方には慣れが必要です。

 

そのため、普通の患者さんにはこの画像が意味するところまで理解されるのは難しいとは思いますが、それでも、健側と比べてみると異常像が映っているのがわかり、理解してもらうよう努力します。

健患比較は必須条件です。

 

以上のことで患者さんに理解していただき、骨折の場合は医師の診断が必要なため、近医整形外科を紹介させていただきました。

 

当院では、骨折の疑いがあると判断した場合、少々遠方にはなりますが、専門医が在籍しMRIを完備されているクリニックを紹介するようにしております。昨今の怪我には、MRI画像による診断は必須となってきているように思えます。

 

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今回、専門医にて疲労骨折の診断を受け、当院での加療の同意も得られました。

 

 

★そもそも、疲労骨折とは?

 

 

疲労骨折は、1回の大きな力で骨が折れる通常の骨折とは異なり、同じ部位に小さな力が少しずつ加わることで発生する骨折です。慢性的なスポーツ障害のひとつで、ランニングやジャンプなど、同じ動作を繰り返すスポーツ選手に多くみられます。
疲労骨折が厄介なのは、痛みがあっても運動を続けられる点です。最初のうちは骨にわずかな亀裂が入った程度でも、無理してプレーを続けていると、やがて完全な骨折に至ります。
ケガが原因で起こる外傷骨折と違って、強い痛みや皮下出血、大きな腫れを伴うことはないものの、運動しているときや圧迫したときに痛みを感じることが多いです。
痛みのある部位が腫れたり、少し膨らんだりする場合もあります。あきらかな外傷がないため「捻挫だと思っていたら、骨折していた」というケースもあります。
からだを動かしているときに関節以外の部位にも痛みがあったり、ケガをした覚えがないのに腫れや痛みが続いたりする場合は、疲労骨折が疑われるので気をつけましょう。
「OMRON  痛みwith 」より抜粋

これは個人的な感想ですが、夏場に走り始め、そのレベルを維持しながら秋でも同様のランニングを行っている方に疲労骨折は多いように思います。

かくいう私自身も、同様の条件で昔、第4中足骨の疲労骨折を経験しております。

 

 

★当院での治療方法★

 

まず、大前提ですが、骨折の治療を行うあたって、医師の同意が必要となります。

今回の様に書面で頂ければ尚よいですが、口頭のみでも可能です。

 

例:

患者「接骨院で治療したいのですが」

医師「いいよー」

 

 

★超音波骨折治療は今やスタンダード★

 

疲労骨折が起きた場合、以前は安静指示のみが唯一の治療法でした。いわゆる「日にち薬」です。

ですが、今では超音波を使って早期治癒を目指すのがスタンダードとなりつつあります。

 

もちろん、当院でも超音波骨折治療器「LIPUS」を利用して早期治癒を目指します。

LIPUSは、骨の癒合を40%早められる治療法で、もちろん骨皮質だけでなく疲労骨折のような骨膜にも同様に作用します。

 

疲労骨折を起こされる方は、大概は練習好きな方が多いため(または部活やプロのアスリート)、少しでも安静期間を短くしたいとも思われる方が多く、また安静期間が長ければ長いほど復帰までのリハビリが長くなってしまいます。

 

骨折は、早く治った方が絶対に良いのです。

 

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今回の患者さんは、比較的早い段階で疲労骨折が判明したため、早期治癒が見込めそうです。

疲労骨折は早期発見早期治癒を目指しましょう。

もちろん、疲労骨折をするには理由があります。その理由等も次回当たりに考察したいと思っています。

 

今回の症例の経過は随時UPしていきます。

2023-10-09 21:59:00

急性腰痛(ぎっくり腰)

今回は、特定の症例という訳でなく、一般的にぎっくり腰(急性腰痛)で来院される方に対する私なりの考えです。

 

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 一言でぎっくり腰といっても、その原因は多岐にわたります。

多岐にわたりますが、医学的にはほとんどが原因が特定できない腰痛「非特異的腰痛」として診断されてしまいます。

 

 

★非特異的腰痛と特異的腰痛

 

 

「ぎっくり腰になってしまい、病院に行ったが、レントゲンを撮って異常が見当たらず、とりあえずシップとコルセット、痛み止めを処方され、あとは安静指示をされた」

 

そういう経験をされた方は多いと思います。非特異的腰痛はレントゲンやMRI、CT等での画像所見で異常が判別できないことが多いのです。

 

逆に、「特異的腰痛」は、レントゲンやMRI、CTなどで異常が見つかり適切な診断名が出ることになります。

 

例えば、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折、他に、内科的には消化器系や泌尿器系の異常や尿路結石、子宮筋腫、解離性大動脈、悪性腫瘍も挙げられるかもしれません。この場合、適切な治療を進めていくこととなると思います。

 

 

★仙腸関節障害

 

 

今回紹介するのは、非特異的腰痛のぎっくり腰の中でも比較的多いと思われる「仙腸関節障害」を上げさせていただきます。

米倉の経験上でも多くを占めている病状です。

 

ぎっくり腰を経験された方に多いのは、やはり中腰姿勢からの立ち上がった時に「グキッ」とくることではないでしょうか?特に、仕事や作業で同一姿勢が続いて筋疲労が蓄積している時に前述の動作で強い痛みが腰部に出ることが多いと思います。

 

中腰姿勢では、背部の筋肉や臀部の筋肉、そして太腿の筋肉が特に緊張していますが、緊張により疲労が蓄積し筋肉の伸展性が失われ、そこから急な動作をしたときに関節に強いストレスを加えることで関節痛を引き起こす、そしてこの場合の関節とは、仙腸関節だったりします。

 

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★仙腸関節は不動関節?

 

 

仙腸関節は、医学的には「不動関節」と言われ、動くことはないと教科書には記載されていますが、実際には歩行時などに数ミリ程度は動くことが確認されています。その数ミリ程度のズレが適切値を超えたときに、猛烈な痛みを発する、これがぎっくり腰の一種であると考えられているのです。

 

産後腰痛も仙腸関節障害

 

関節のズレが急な場合、ぎっくり腰となりますが、実はこの不動関節は、例外として出産時に大きく動きます。仙腸関節が動かなければ産道が狭いままですからね。そしてしばらく不安定な状態となり炎症が生じ痛みができます。即ち、産後腰痛の原因となります。

 

産後腰痛に関してはまた後日報告するとして、仙腸関節のズレを元に戻してあげれば、腰痛が軽減される、という答えが導き出せますね。

 

 

★どうやって治す??

 

 

当院では、まずラジオ波で過緊張となっている仙腸関節周りの筋肉や靱帯を緩めていきます。

あまりラジオ波で熱を加えすぎると痛みが強くなってしまうので、ラジオ波を当てるのはほんの数分ほどです。数分で十分に筋肉や靱帯の弛緩が得られるのが、ラジオ波の特徴です。

 

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そして、次にトムソンベッドを駆使してズレた仙腸関節を元に戻します。姿勢全体を矯正するわけではないので、これも数分で終わります。

 

最後に、痛みの原因である発痛物質を取り除く目的でハイボルテージを腰部に当てます。だいたい10分程。痛みの強さによっては、アイシングも行います。

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★最後はやはり自分の治癒能力

 

 

以上の施術で、仙腸関節障害タイプのぎっくり腰は、8割方軽減することが多いです。ただし、グキッときてズレた際に生じた炎症や痛みは、生理的な治癒能力に左右されることが多く、完全に良くなるには数週間はかかると考えています。

 

ちなみに、コルセットはあまり勧めていません。コルセット等を用いて腰部を固定することは、期待できる痛みの軽減効果よりも腰部の動きを悪くし=筋肉の筋緊張改善や血流を悪くし、回復能力を下げてしまうデメリットの方が大きいからです。また、最近の医学界でも、非特異的腰部痛は安静にせず日常生活レベルで動かした方が、復帰が早いというのが常識になってきています。

 

最後に

 

まず大事なのは、この腰痛が何なのか?を鑑別することから始まります。特異的腰痛なのか非特異的なのか?非特異的の場合、関節なのか筋肉なのか?特異的腰痛は、診断に画像所見が必要となり接骨院ではそれができませんが(エコーでの腰部痛の判断は難しいと思われます)、ある特定の判断基準を守っていれば、鑑別することができると考えています。

非特異的腰痛は、なかなか完璧には判別は難しいところはありますが、それでもいくつかのテストやパターン分けを行い適切に判断するよう心がけています。

 

特にぎっくり腰は、シップを貼って安静にしているよりは、積極的に施術することのほうがメリットが大きいと考えています。皆さんも、ぎっくり腰で悩まれたときは、病院に行くのも良いとは思いますが、一度接骨院に通ってみてください!

 

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