症例報告(9/12UP)
「中学生の小指骨折(第5指基節骨骨折)にLIPUSを併用|稲城市での早期回復を目指した施療例
【症例】第5指基節骨骨折(らせん状骨折)|中学生・自転車転倒による小指のケガ
●来院の経緯
3月初旬、自転車で通学中に転倒し、左手の小指を地面に強くぶつけた中学生の方が、腫れと痛みを訴えて親御さんとともに来院されました。
患部は目で見ても腫れがはっきりしており、骨折の可能性が高いと判断しました。
●エコーによる初期評価と整復
年齢的に「骨端線離開(成長線の損傷)」も考慮し、エコーで患部を評価。
わずかに尺側(小指側)への転位がみられたため、牽引・圧迫による整復を行い、シーネで固定。その後、整形外科への紹介状をお渡しして対診していただきました。
受傷後来院時
●整形外科での診断と方針
整形外科では「第5指基節骨骨折(らせん状骨折)」と診断。整復位も良好であったため、保存的に固定を継続する方針に。
骨折部は転位しやすいため、小指単独の固定から薬指とのバディ固定に変更しました。
●LIPUS(低出力パルス超音波)による骨癒合促進
整形医の了承を得て、骨癒合の促進を目的に**LIPUS(低出力パルス超音波)**を導入。
毎日20分の照射を継続して行いました。
【参考文献(日本語解説)】
・「LIPUSの骨折治癒促進効果について」日本整形外科学会 雑誌記事
https://www.joa.or.jp/media/public/knowledge/fracture_ultrasound.html
・「低出力パルス超音波(LIPUS)の骨癒合促進効果」 日本臨床スポーツ医学会
https://www.rinspo.jp/pdf/vol30_6_751.pdf
●その後の経過とリハビリ
施行開始から10日ほどで仮骨の形成が確認され、圧痛も軽減。
2週間で骨癒合が順調に進み、整形医よりリハビリ開始の許可が出ました。
ラジオ波温熱療法を併用し、患部周囲の循環促進と関節可動域の回復を目指しました
受傷後1週目
受傷後3週目

ラジオ波を利用したリハビリを行います
★LIPUSを使わなかったら??
LIPUSを使用しなかった場合、一般的に小指基節骨の骨癒合には3〜4週間かかるとされています。
加えて、固定期間後も関節拘縮や筋力低下への配慮が必要となり、リハビリを含めた全体の施療期間は約5〜6週間程度になることが多いです。
今回のケースでは、LIPUSを導入したことで、
-
仮骨形成が10日で確認
-
2週で骨癒合が進行
-
4週目には関節可動域も良好に
と、実質1〜2週間程度の施療期間短縮が得られた可能性があります。
●施療の結果
4週目(4月初旬)には関節の動きも良好となり、日常生活にも支障なく、無事に施療を終えました。
初期対応の迅速さと、エコー評価・整形との連携・LIPUS・早期リハビリといった複合的な施療が功を奏した症例です。
※当院では、子供医療証をお持ちの方に場合(東京都在住の方に限る)、窓口負担料として200円のみ頂いております。
医師から骨折加療への同意をいただいている場合、LIPUS利用料やラジオ波利用料は頂いておりません。
このように、骨折直後からの適切な評価と管理、そして医療連携と物理療法の活用により、良好な経過を得ることができました。
手掌部屈筋腱損傷(ボルダリング損傷)
手掌部屈筋腱損傷(ボルダリング損傷)
ボルダリングでは、アンダーホールドやダイナミックなムーブの際に手掌部の屈筋腱へ強い負荷がかかることがあります。本症例では、アンダーホールドを保持中に発生した腱損傷をエコーで診断し、保存療法を実施。指に負担をかけないトレーニングを指導し、早期復帰をサポートしました。
◎患者情報
年齢・性別:40代・男性
受傷状況:ボルダリング中の外傷
◎初診時の主訴
患者様はボルダリングジムでアンダーホールドを左手で保持し、右手で次のホールドを取りに行った際に左手掌部および左前腕部に痛みを感じ、その後、指を曲げると痛む、手掌部の腫れが見られたため当院を受診されました。
市外の遠方から来院され、「ボルダリングを良く知っている先生がいる医療機関」をインターネットで検索し、当院を選ばれました。
◎検査・評価
視診では左手掌部に軽度の腫脹が認められ、環指(薬指)の屈曲時に抵抗を加えた際に強い痛みが確認されました。
エコー検査では深指屈筋腱部に腫脹と内出血を伴う腱損傷が確認されましたが、幸いにも腱断裂は認められなかったため、保存療法を選択しました。
★エコー検査の利点★
エコー検査はリアルタイムで軟部組織の状態を可視化でき、腱や靱帯の損傷を的確に評価できます。X線では確認できない部位も詳しく観察できるため、早期に適切な治療方針を決定するのに有効です。
リアルタイムで腱の動きが見れるのがエコーの特徴
上:健側-深指屈筋腱と浅指屈筋腱が別々に動いているのが確認できる。
下:患側-深指屈筋腱と浅指屈筋腱の間に血腫が存在し、両腱の動きが同時に動いている。このまま放っておけば癒着を起こす可能性もある。
◎治療
以下の治療法を組み合わせ、腱の回復促進と疼痛の緩和を図りました。
- ハイボルト療法:高電圧の電気刺激で神経や筋肉に直接働きかけ、即効性のある痛みの軽減が期待できます。
- LIPUS(低出力超音波治療器):超音波で細胞修復を促し、腱や靱帯の治癒期間を短縮します。
- マイクロカレント療法(マイクロリカバリーパッチ):微弱電流を利用し、細胞レベルで修復を促進。血流改善や代謝を活性化することで、自宅での継続ケアが可能です。
◎クライミングへの指導
治療中は患部への過度な負担を避けつつ、他の部位を鍛えるトレーニングを提案しました。
- 2~3週間は指に負担がかかるルート(アンダー、オーバーハング)は禁止
- 足腰の強化とバランス向上を目的に、スラブ壁でのクライミングや体幹トレーニングを推奨
- 回復の状況を見ながら、段階的に負荷を増やし運動を再開予定
★ボルダリング経験者の院長によるサポート★
当院の院長はボルダリング歴10年以上ですが、最近は子育てがメインになり、すっかり腕が落ちてしまった「元・そこそこ登れるクライマー」です。それでも、クライミング特有の怪我やトレーニング方法についての知識は豊富で、「なかなか休みたくない気持ち」も痛いほど理解しています。
必要があれば「休む勇気」を優しくお伝えしつつ、その間にできるトレーニングや早期復帰の工夫もご提案します。もしボルダリング中の怪我や不調でお困りの際は、ぜひご相談ください。登る人の気持ちを知る院長が、治療とサポートであなたのクライミングライフを応援します!
橈骨遠位端骨折(小児)
「小学生に発生した橈骨遠位端骨折」の症例報告
今回は、小学生の男児に発生した「橈骨遠位端骨折」の症例をご紹介します。この症例では、小児特有の骨折の判断においてエコー検査が重要な役割を果たした点が特徴的でした。
患者さんの経緯
患者さんは、小学6年生のサッカー少年で、もともと当院によく通われていた患者さんです。フットサルの練習中に転倒し、右手を突いた際に手首の痛みを訴えました。受傷当日に市内病院の救急外来を受診し、シュガートング固定が施されましたが、「骨がしなって腱が伸ばされた可能性がある」と説明され、骨折の診断はされませんでした。その後、総合病院整形外科を受診しましたが、「骨折ははっきりしない」との診断でした。
痛みが続き、ご家族の要望により受傷4日目に当院を受診されました。
診察内容と結果
問診の時点で骨折の可能性を強く疑い、触診にて手首の特定部位に限局性圧痛を確認しました。その後、エコー検査を行い、橈骨遠位端の骨の不整像や骨膜反応を確認。骨折が強く疑われるとの判断に至り、近隣の専門医へ紹介しました。その後、紹介先の医師より橈骨遠位端骨折の診断との報告がありました。
エコー検査の特徴
エコー検査は、レントゲンのように骨全体の形態を映し出すことはできませんが、骨の微小な損傷や骨膜反応など、若木骨折特有の変化を捉える点で非常に有用です。今回のようなケースでは、エコーが迅速で非侵襲的に骨折の判断をサポートする重要な役割を果たしました。
当院での対応
1. 応急処置
・痛みの軽減を目的として、ゆるゆるだった三角巾の調整を行い、シュガートング固定を再利用し固定、手首の安静を図りました。
・近隣の医師と連携し、適切な診断と治療を受けられるよう紹介状を作成しました。
2. 治療計画
・紹介先の医師にて骨折の診断とともに、LIPUS(低出力超音波治療)の承諾が得られましたら、当院にて骨癒合のサポートを行う予定です。
LIPUSの特徴
微細な超音波で骨折部位の細胞を刺激し、骨癒合を促進。治癒期間の短縮が期待できます。
★休日の応急外来の選択肢としての当院★
総合病院の救急外来は高度な医療設備や専門的な対応が整っており、多くの患者さんにとって重要な役割を果たしています。ただし、休日や夜間では整形外科の専門医が不在の場合もあり、適切な診断が難しいケースも見られます。
一方、よねくら接骨院では、整形専門医のもとで十分な臨床経験を積んだ柔道整復師が、怪我の応急処置に対応しています。また、エコー検査を活用することで骨折や軟部組織の損傷を迅速かつ的確に判断し、早期に医師への対診を促すことが可能です。
総合病院と連携しつつ、地域の皆様に休日や夜間の怪我対応の選択肢としてご活用いただけるよう努めています。
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母指CM関節症
親指の付け根が痛い?母指CM関節症の症例
日常生活での親指の酷使が原因となるCM関節症。
エコー診断と保存的治療で、痛みと機能低下の改善を目指します。
症例紹介:診断されなかった痛みの正体
今回の患者さんは、2023年10月に親指の付け根に痛みを感じ、整形外科を受診。
レントゲンでは異常なしとされ、明確な診断名がないまま、自分で器具を押し当てるリハビリを継続していたそうです。
しかし効果を感じられず、最近になって物を拾おうとした際に強い痛みが再発。当院に来院されました。
当院でのエコー診断
- エコー画像でCM関節の変形と関節炎所見を確認
- 母指CM関節症と診断
- 他の疾患と区別するために、鑑別評価も実施
母指CM関節症とは?
症状
- 親指の付け根(CM関節)の痛みや腫れ
- つかむ・握る動作での違和感、握力低下
- 進行例では関節の変形も現れることがあります
原因
- 加齢による軟骨摩耗
- 調理・清掃・パソコン作業などの手の使い過ぎ
- 手指に負担のかかる生活習慣
鑑別が必要な疾患
- ドケルバン病:親指の腱の炎症、フィンケルスタインテストで確認
- 母指基節骨骨折:外傷歴がある場合、レントゲン・エコーで確認
- CM関節脱臼:進行変形例での不安定性が疑われる
- 関節リウマチ:多関節に痛みが出る場合、血液検査も視野に
よねくら接骨院での治療法
- エコーによる可視化評価
腱や軟骨の状態をリアルタイムで確認し、治療の方向性を明確化。 - ハイボルト治療
深部の神経や筋・靱帯へアプローチし、炎症・痛みを抑制。 - ラジオ波温熱療法
患部周囲を深部から温め、柔軟性と血流を改善。 - LIPUS(低出力超音波)
組織の修復促進を期待できる、医師の同意が必要な再生サポート機器。 - サポーター活用
患部の負担軽減と再負傷防止のため、日常生活で使用。
フォローアップと再発予防
- 週1〜2回のペースで施術を継続
- 親指周囲の筋力バランスを整える指導
- 自宅でできるケアや日常生活動作の工夫もアドバイス
エコーや治療方針は症状に応じて個別に判断されます。必要に応じて医療機関との連携も行います。
早期の評価と対応が、重症化や慢性化の予防につながります。
少しでも違和感を感じたら、お早めにご相談ください。
母指CM関節症
母指CM関節症(親指付け根の違和感)
物をひねる/つまむ/開ける動作で親指の付け根がズキッ。
エコー観察で状態を把握し、保存的アプローチで日常の使いやすさを目指します。
今回のケース(60代・女性)
近頃から母指の付け根(CM関節)に違和感があり、昨夜から痛みが増強。
エコーで確認すると骨棘形成・関節変化・靱帯肥厚が見られ、関節炎所見も伴っていました。
問診とエコー(ドプラ所見含む)から、現時点では関節リウマチは否定的と判断しました。


CM関節症の進行と早期対応の重要性
CM関節症は使い過ぎ・加齢・ホルモン変化などが関与し、関節の変形が徐々に進行します。
進行が進むと関節の不安定性〜脱臼傾向をきたす場合があり、早期の保存的対応で「痛みのコントロール」と「進行抑制」を図ることが大切です。


よねくら接骨院の保存的アプローチ
- ラジオ波(深部温熱)で可動性サポート
短時間で深部まで温め、周囲筋・靱帯のこわばり緩和と可動域の確保を目指します。 - ハイボルト(鎮静サポート)
急に強まった痛みに対し、短時間の鎮静・炎症感の軽減を狙います。 - LIPUS(低出力パルス超音波)
微細振動刺激で組織回復の後押しや炎症の落ち着きを期待。医師の同意が必要です。 - 専用サポーターで関節の安定化
水に強いタイプで家事中も着脱しやすいものを推奨。
日常の負担を減らし、痛みの出にくい使い方へ誘導します。
施術経過(例)
4月初旬:初回
- エコーで変形の程度・関節炎の有無・可動域を確認
- ラジオ波+ハイボルト+LIPUSを同日に実施
- 日常では専用サポーターで安定化を図る
初診料 1,500円/検査料 1,500円/エコー 500円/ラジオ波(5分)500円/LIPUS 500円/ハイボルト 0円(LIPUS併用サービス)/専用サポーター 2,500円
合計:7,000円
来院頻度の目安
初回後は週1回から様子を見て、状態が落ち着けば隔週に移行します。
本ケースでは5月中旬に疼痛が軽減し、日常での不便はほぼ解消。
以降は2週に1回のフォローで経過観察を継続しました。

ポイントまとめ
- 早期の保存的対応で、痛みの軽減と進行抑制を目指す
- エコー観察で所見を共有しながら方針を設計
- ラジオ波+ハイボルト+LIPUS+サポーターで日常動作をサポート
※本ページは柔道整復師による施術・応急対応の紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
症状や経過によっては、医療機関での精密検査・処置が必要となる場合があります。
LIPUSの実施には医師の同意が必要です。















