症例報告(9/12UP)

2024-04-23 23:03:00

シーバー病~スポーツKIDSに多発!~踵骨骨端症にはLIPUSが効く~

シーバー病(踵骨骨端症)|スポーツキッズの踵の痛み

小学生〜中学生前半に多い踵の違和感・痛み
エコー観察を活用し、活動度に合わせた安全な保存的アプローチをご提案します。

シーバー病とは?

シーバー病は踵骨の骨端症です。成長期の踵には骨端核・成長軟骨があり、大人に比べ強度が低い段階です。
スポーツで硬くなった腓腹筋・アキレス腱・足底腱膜の牽引が繰り返されると、骨端核の分離や成長軟骨のストレスが生じ、痛みにつながります。

多くは10歳前後〜中学生初期に発症し、サッカー・バスケット・ダンス・長距離走など走跳動作の多い競技で目立ちます。原則として成長に伴い自然軽快しますが、活動や痛みの程度に応じた対応が重要です。

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踵骨の骨端核:牽引ストレスで痛みが出やすい部位

当院の検査(エコー観察)

超音波エコーで骨端核や成長軟骨の状態を可視化し、左右比較で程度を把握します。被ばくがなく、所見を画面で共有できるのが利点です。

 

  

一般的な医療機関での案内(例)

  • スポーツ活動の一時中止・安静
  • 抗炎症目的の投薬や湿布の活用
  • 痛みが強い場合の免荷(松葉杖)
  • 足底挿板(インソール)で負担軽減
  • 下腿〜足底のストレッチ指導

よねくら接骨院の対応方針(保存的アプローチ)

  1. 活動量の最適化(目安:1/2程度へ)
    完全中止が難しい競技者も多いため、練習頻度・強度・地面環境の調整で負荷管理を行います。
  2. ハイボルト(鎮静サポート)
    急性期の疼痛・炎症感の軽減を目的に短時間で実施。
  3. LIPUS(低出力パルス超音波)
    微細振動刺激により組織回復の後押しが期待されます。医師の同意が必要です。
  4. ラジオ波(温熱アプローチ)
    短時間で深部まで温め、腓腹筋・アキレス腱・足底腱膜柔軟性向上を狙います。
  5. セルフケア&テーピング
    下腿・足底のストレッチ、練習前のテーピングで負担分散を図ります。
期間の目安:活動状況にもよりますが、数か月スパンでの改善を目指します。
痛みが落ち着いても、再発予防の柔軟性・筋機能づくりを継続することが重要です。

症例紹介

症例#3|11歳・男子/サッカー(週3〜4)

練習後の踵痛で整形外科受診しシーバー病と説明。
安静のみ」では不安とのことで当院へ。両踵痛の訴えで、右はエコー所見が明瞭、左は所見薄いが圧痛と自覚症状から両側として対応。

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右踵の所見が明瞭、左は臨床症状を優先し両側対応

LIPUS通院+週1ラジオ波を実施。強い痛みはないためハイボルトは初回中心。
3週間後のエコーで、右の骨端核が一塊に近づく変化を確認。体育は様子をみつつ再開可と判断。

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骨端核の分離像が縮小傾向

症例#2|11歳・男子/サッカー(週3〜4)

スポーツ整形での通院中。LIPUSのみ近隣で希望され、医師同意の上で当院にて施行。痛みが強い日はハイボルトも併用。
週4程度で継続。学生はLIPUS/ハイボルトの利用料無料(施術料は別)で対応。

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所見と症状に応じて来院頻度を設計

症例#1|10歳・男子/バスケット(週3〜4)

整形外科での説明・通院を継続しつつ、当院ではハイボルト中心に鎮静サポート。
自費施術(初回1,500円+施術1,300円/目安10分)で対応、ハイボルトは小学生無料

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痛みの強い時期は短時間の鎮静サポートを優先

よくあるご質問(抜粋)

  • 運動は完全休止が必要?…痛みと所見に応じ段階的に制限します。試合前のみ短時間参加などの設計も。
  • LIPUSは痛い?…刺激感はほぼなく非侵襲です。
  • どれくらいで良くなる?…活動量や所見により差はありますが、数か月単位の計画が目安です。
#小学生の踵の痛み #サッカー・バスケ #エコー観察 #LIPUS #ハイボルト #ラジオ波

※本ページは柔道整復師による施術・応急対応の紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
症状や経過によっては、医療機関での精密検査・処置が必要となる場合があります。

 

2023-08-02 15:38:00

踵骨骨端症(シーバー病)~小学校低学年に多い、踵の痛み~

踵骨骨端症(シーバー病)|症例紹介

スポーツが盛んな小学生に多い踵(かかと)の痛み
とくに小学2〜4年生でのご相談が目立ちます。

来院背景

ミニバスに一生懸命取り組むお子さま。以前から左踵の痛みで整形外科を受診し、
シーバー病と説明を受けてリハビリを続けていましたが、今回は右踵の痛みが強くなり、
「とにかく今の痛みをなんとかしたい」と当院へ来られました。

エコーでの確認

医療機関での評価を受けられていましたが、当院でも超音波エコーで状態を確認しました。

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踵骨骨端部のエコー所見(例)

痛みの強い右踵は、踵骨の骨端核が分離し、やや剝がれ気味にも見える所見。
左踵もシーバー病を示唆する状態がみられ、全体として負担過多がうかがえました。

補足:画像所見はあくまで状態把握の一助です。必要に応じて担当医と連携し、
学校・部活動の負荷量調整を含めてサポートします。

当院の対応(痛みの軽減を最優先)

① ハイボルト(高電圧刺激)

急な痛みの軽減を狙う際に有用です。短時間での疼痛緩和を目指します。

② ラジオ波(深部温熱)

下腿の筋(腓腹筋・ヒラメ筋)やアキレス腱の緊張を和らげ、踵への牽引ストレスを減らす狙いです。

③ LIPUSの方針

骨端部のケアにはLIPUSが選択肢になりますが、継続的な利用で効果が出やすいため、
今回はご家族の希望(医療機関でのリハビリ継続、当院では痛み対策に集中)を尊重し、
単発利用は行わず、ハイボルトとラジオ波を中心に進めました。

他機関との併用について

今回は「リハビリは整形外科で、当院では痛みの軽減を重点的に」というご希望でした。
整形外科リハビリとの同時期併用の場合、接骨院での対応は自費となることが一般的です。
(医療機関で診断を受け、リハビリを接骨院でのみ行う場合は、状況により保険適用となるケースもあります)

施療時間の目安

施療自体は約20分。初診のため問診・状態確認を含め、全体で約50分でした。

費用の目安

初診料+自費:約4,000円(例)
※当院では小中学生はハイボルト無料、ラジオ波は半額(500円)
※保険適用となる場合、医療助成があり1,000円以内に収まることが多いです。

スポーツと痛みの“現実的な折り合い”について

医療側はまず「一時中止」を推奨しがちですが、実際には続けたいお子さまも多いのが現実です。
当院では、痛みの強さを指標に活動量をコントロールしながら、
炎症期は軽減策(ハイボルト・ラジオ波・アイス/休息)、回復期は負荷管理と柔軟性改善へと段階的に移行します。

もちろんレッドライン(強い痛み・跛行・夜間痛の悪化・腫脹増悪)を超える場合は、
速やかな休止・再評価が前提です。保護者・指導者の方と情報を共有しながら進めます。

保護者の方へ(セルフケアのヒント)

  • 練習前後のふくらはぎストレッチ足底の軽いリリース
  • 週内の完全休養日の設定(最低1日は目安)
  • シューズの踵カップの硬さ・サイズの再確認、インソール検討
  • 痛みが出たら冷却+休息、再開時は段階的に強度アップ

まとめ

踵骨骨端症は成長期特有の負担が関与するため、完全な休止が難しい現場との調整が鍵です。
よねくら接骨院では、痛みの軽減負荷管理を両立し、
お子さま・保護者・指導者と歩調を合わせながら、最善の選択を一緒に考えます。

※本ページは柔道整復師による施術・応急対応の紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
状態により、医療機関での精密検査や活動制限の見直しが必要となる場合があります。

 

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