症例報告(11/19UP)
内側広筋肉離れ~大腿四頭筋の中ではまれ~
「内側広筋の肉離れ」
11月4日の祝日、休診日にも関わらず、患者さんから「脚立から落ちて右膝に痛みがある」とLINEで連絡があり、急な対応が必要と判断し、よねくら接骨院にて診察と処置を行いました。
診察の結果、右膝に圧痛と運動時の痛みが確認され、エコー検査で内側広筋の肉離れと診断。内側広筋は膝の内側に位置し、膝の伸展や股関節の安定に関わる重要な筋肉です。この部位は急な動作や体勢の崩れ、また過度に引っ張られる力が加わった際に損傷しやすく、転倒や不安定な体勢での負荷でも受傷することが多いです。
今回の患者さんの場合、脚立上部で右脚が引っ掛かり、宙吊り状態になった際に内側広筋に強い負荷がかかり、損傷に至ったと考えられます。
治療にはロングレッグシーネと圧迫包帯で固定を行い、松葉杖を使用して脚に負担をかけないよう免荷指導を行いました。さらに、早期の回復を目指し、ハイボルト治療で抗炎症・鎮痛効果を高め、LIPUS(低出力超音波治療)とマイクロカレントを用いて除痛と治癒促進も図りました。
1週間後の経過観察で改善が見られたため、ラジオ波によるリハビリも開始し、筋肉や組織の回復をサポートしています。適切なケアと安静が早期回復のカギとなるため、引き続き、患者さんが順調に回復できるようサポートしてまいります。
★当院では、休日や時間外の急患の対応もしております。
骨折や脱臼、捻挫、打撲、ぎっくり腰でお困りの方は、LINEにてご連絡ください。
可能な限りご対応致します。
ハムストリングス肉離れ~スポーツ少年に多いけど、中年代でもよく起こる~
本日は春分の日、祝日なのでよねくら接骨院はお休みなのですが・・・
「足が攣ったようで痛むので診てほしい」
との連絡がありましたので、院を開けて診させて頂きました。
今回の患者さんは、わざわざ府中市から来院されました。
エコーでで見るとしっかりとハムストリングスに血腫発見。見事な?!肉離れです。程度でいうと2度損傷。しっかりとした治療が必要です。
とりあえず本日は、テーピングと包帯で固定、が普通ですが、よねくら接骨院は早期治癒を目指しますので、基本の固定術+ハイボルトによる鎮痛抗炎症+LIPUSとマイクロカレントで創傷治癒促進を初日から行います。また、筋の硬直も見られたので、非熱モードでラジオ波を当てました。
当院は
「エコーによる確認+整形基準の固定+鎮痛治癒促進の物療」
普通の接骨院/整骨院とは少し違う処置が行えます。
怪我から少しでも早く回復してもらうことが、私のモットーです。
⭐️休日でも応急手当てします!⭐️
LINEやお電話、インスタメッセージでも大丈夫ですので
怪我や急な痛みでお困りの方はご連絡ください。応対できる事あります!
アキレス腱炎~放っておいてはダメ!~
「放っておいては危ない」アキレス腱炎
今回来院された患者さん
30代男性 スポーツ活動はバスケット(週一で練習、大会などのゲーム出場のレベル)
8月ごろにサンダルで長時間歩行された後にアキレス腱部分が痛みはじめ、当初は他の整骨院さんで加療を行ったものの、同時に多忙になり通院しなくなり放っておいたところ、10~11月ころにまた気になり始め、今度は整形外科受診。レントゲン検査でアキレス腱炎の診断を受け、シップ処方のみで痛みが改善されず不安に感じ、当院でのエコー検査を希望されて来院。
医科にてアキレス腱炎の診断を受けていましたが、念のため当院でもエコー検査を実施。
レントゲンではアキレス腱の陰影は映すことが可能でアキレス腱断裂の場合はレントゲンのみで判別可能ですが、アキレス腱炎となる判別は難しいと思われます。しかも、稀ですが、アキレス腱炎だと思っていたらアキレス腱が部分的に断裂を起こしていた、という症例もあります。
アキレス腱部の長軸撮影。右が患側。アキレス腱実質部の肥厚がわかる。
また、炎症部分も存在しているため、炎症を抑えつつ腱実質の柔軟性を出す必要性がある。
アキレス腱炎を放っておくと?
アキレス腱炎はしっかり治療をしないと慢性的となることが多く、また腱実質の柔軟性が損なわれておりアキレス腱断裂へと繋がることもあるので、しっかりと治療したいところです。
当院の治療法
慢性的なものなのか、急性的なものなのか、慢性的でも腱実質の肥厚だけだったり、今回の様に炎症が見られることもあります。
ラジオ波と腱炎系の治療の相性は抜群
まずはエコーで病状を確認し、腱実質の肥厚を伴っているのであればラジオ波を使った温熱治療+手技療法、炎症が見られるようであればハイボルト、そうでなければマイクロカレントなど、使い分けて治療していきます。
治療期間・通院頻度は?
急性の場合であれば、「太く短く」、慢性であれば「細く長く」と考えます。
前者であれば可能な限り沢山来ていただいて短期間で終わらせられるよう努力していきます。
後者であれば、あまり意気込むと通院疲れを起こし結局完治しないことが多いため、週1とか週2でマイペースな通院を指導します。また、併せて自宅でのトレーニングも指導していきます。
今回の治療に限ったことではありませんが、マイペースとはいえ「2週間に一回」とか、「月一回」では、それはさすがに良くならないと思います。その場合、私も責任は持てないので当院での治療は諦めていただくかもしれません。
ふくらはぎの肉離れ~60代女性~
今回は、再び腓腹筋肉離れの症例報告です。
患者さんは60代女性で一昨日にクラッシックバレエの練習中、つま先立ちをした際にふくらはぎに痛みを感じた、との事。昨日、一日様子を見ていたがなかなか痛みが引かず、また週末にイベントを控えており、早期回復を希望され来院されました。
問診にて、受傷時POP音はなかったとの事。
圧痛部位が腓腹筋内側頭やトンプソンテストが陰性だったため、アキレス腱断裂でなく腓腹筋肉離れと推測できます。
また腓腹筋部に陥凹はないため、中軽度の肉離れかもしれません。
ちなみに、腓腹筋肉離れとの鑑別にアキレス腱断裂が挙げられますが、アキレス腱断裂を示唆するもっとも有名なテスト方法がトンプソンテストです。
「トレシピ!」より抜粋(アキレス腱断裂 | トレシピ! (trecipe.jp))
以上の検査や触診で大体の判断はできますが、やはりエコーで確定判断をしたほうが患者さんも安心します。
腓腹筋肉離れはヒラメ筋との境界部で起きやすい。受傷初期の処置が不十分だったりすると血腫が筋膜に沿って広がり消失するのに3~4か月を要することがあり、瘢痕化しやすくなる。
エコーで見る限りは、大きな肉離れではないようです。しかし、ここで処置が不十分だと血腫が広がり治癒が長期化する上に、瘢痕化ししこりのような硬さがずっと残ってしまうことがあります。
十分な処置とは「RICE」処置です。
Rest(安静) Icing(アイシング) Compression(圧迫) Elevation(挙上)
★圧迫固定は弾性包帯(バンテージ)で
当院では軽度の肉離れには包帯圧迫にて対応します。
私は、患者さんご自身でも巻けるよう、綿包帯は使わず弾性包帯を使うようにしています。
綿包帯は、いかにも柔道整復師らしさがでますが、綿包帯で腓腹部を捲き上げるにはそれなりの修練が必要で、例えば、患者さんが入浴時に包帯を外した後、自分で巻かなければならない状況を考えたとき、綿包帯よりも弾性包帯の方がまだ簡易に巻き上げられます。もちろんその包帯巻きの指導も致します。
★テーピングは使わない
最近は、外傷に対してテーピング固定で対応している接骨院・整骨院さんが多いように見受けられますが、テーピングはあくまでも応急用や予防用であり、治療として固定を行うのであれば包帯の方が優れているように感じます。テーピングは固定力が十分ではなく、また長時間貼布を行っていると皮膚がかぶれてしまうのが難点です。また、シップや炎症止めクリームを塗布したりする場合やシーネ固定にも包帯のほうが向いています。
同様に、「サポーターでもよいですか?」とよく聞かれますが、確かにサポーターは装着が簡便なので患者さんとして使いたくなるのは解りますが、やはり固定力が不十分だと感じます。飽くまでもサポーターはサポート(補助)するものであると思ったほうがよいです。
★外傷初期の施術はハイボルトがメイン
包帯圧迫の処置とともに、まずは損傷個所の炎症と痛みを抑える為にハイボルト治療を行います。
ハイボルトは
①疼痛抑制効果
②血流循環増大効果
③浮腫の軽減作用
が期待でき、急性期の外傷向けの施術です。
★肉離れの早期回復のカギは、ラジオ波による温熱治療
固定期間が長ければ長いほど、筋肉や関節の拘縮の恐れが出てきます。即ち、「復帰」の遅れとなりますが、当院では早い段階でラジオ波による温熱療法をリハビリに取り入れ、拘縮予防を行うことでスポーツや日常生活への復帰を早める施療を行います。
ラジオ波は筋肉系の治療に高い効果が期待できるのです。
「早く治すと、患者さんがすぐに来なくなるから、うまい具合に引き延ばせ」
と、昔、アルバイト時代の整骨院の先生に言われたことがあります。
はたしてそれは、患者さんにとって良い事なのでしょうか?
‘患者さんの不利益になってはならない‘・・・早く治した方が良いのです。
今回は受傷後、僅か4日目でラジオ波によるリハビリを開始しました。本来ならば一週間ほど様子を見るのですが、患者さんは週末のイベントに参加することを目標として当院に来院されております。当院としては、その患者さんの思いをなるべく実現できるよう最大限努力するだけです。
もちろん、エコーによる経過観察下においてのリハビリとなります。早くしてもエコーにて血腫の拡大が確認されればその時点でリハビリは中止とし安静を指示します。
加療後6日(受傷後8日)にてエコー観察。
血腫が徐々に消失してはいるものの、まだまだ筋膜の乱れがあり、組織の器質化も懸念される状態
血腫は徐々に消失してきてはいるものの、まだまだ瘢痕化する恐れがあり、慎重にラジオ波によるリハビリを行っていきました。
患者さんもほぼ動作時痛が消失し、週末のイベントにも無事参加されました。
まだまだダンスへの本格復帰は待たなければなりませんが、経過良好の為、受傷後2週間で週1回の通院指導にし、自宅でのトレーニングを指導致しました。
また、治療終了後も、ケガ予防のための定期的なお身体のメンテナンスも指導していきます。
足首の疲労骨折~ジョギング中の突然の痛み~
今回の症例は脛骨内果部の疲労骨折です。
今回の患者さんは、40代女性の方で5月よりランニングを始められ、その後トレランをやったりマラソンを走ったりと、強度の高いランニングを行っていたようです。練習も熱心で、5~10㎞のランニングを週3以上で行っていたそう。
数日前にランニングを終えた後、左足首に違和感を覚え、その夜から腫れてきてそれでも走り続けていたら、歩行時にも痛みを伴ってきたため、心配になり当院に来院されました。
問診時にランニング歴などのお話を伺い、足首を見せてもらいました。お話を伺った時点で想定はしていましたが、脛骨内果部に腫脹を確認、触診にて限局性圧痛も確認できたため、ほぼ確信いたしました。
脛骨内果部の疲労骨折は比較的少ない症例ではありますが、典型的な症例です。
これだけの臨床症状で十分疲労骨折と判断できますが、患者さんを納得させるためにも、そして判断材料の補完のためにも、エコーにて撮像を行います。
疲労骨折初期の場合、骨皮質に変化はないが骨膜反応が起きており、
エコー像においては骨表面に黒い低エコー像が描写される。
エコー像はレントゲン像と違い骨の全体像が映らないため、見方には慣れが必要です。
そのため、普通の患者さんにはこの画像が意味するところまで理解されるのは難しいとは思いますが、それでも、健側と比べてみると異常像が映っているのがわかり、理解してもらうよう努力します。
健患比較は必須条件です。
以上のことで患者さんに理解していただき、骨折の場合は医師の診断が必要なため、近医整形外科を紹介させていただきました。
当院では、骨折の疑いがあると判断した場合、少々遠方にはなりますが、専門医が在籍しMRIを完備されているクリニックを紹介するようにしております。昨今の怪我には、MRI画像による診断は必須となってきているように思えます。
今回、専門医にて疲労骨折の診断を受け、当院での加療の同意も得られました。
★そもそも、疲労骨折とは?
疲労骨折は、1回の大きな力で骨が折れる通常の骨折とは異なり、同じ部位に小さな力が少しずつ加わることで発生する骨折です。慢性的なスポーツ障害のひとつで、ランニングやジャンプなど、同じ動作を繰り返すスポーツ選手に多くみられます。疲労骨折が厄介なのは、痛みがあっても運動を続けられる点です。最初のうちは骨にわずかな亀裂が入った程度でも、無理してプレーを続けていると、やがて完全な骨折に至ります。ケガが原因で起こる外傷骨折と違って、強い痛みや皮下出血、大きな腫れを伴うことはないものの、運動しているときや圧迫したときに痛みを感じることが多いです。痛みのある部位が腫れたり、少し膨らんだりする場合もあります。あきらかな外傷がないため「捻挫だと思っていたら、骨折していた」というケースもあります。からだを動かしているときに関節以外の部位にも痛みがあったり、ケガをした覚えがないのに腫れや痛みが続いたりする場合は、疲労骨折が疑われるので気をつけましょう。「OMRON 痛みwith 」より抜粋
これは個人的な感想ですが、夏場に走り始め、そのレベルを維持しながら秋でも同様のランニングを行っている方に疲労骨折は多いように思います。
かくいう私自身も、同様の条件で昔、第4中足骨の疲労骨折を経験しております。
★当院での治療方法★
まず、大前提ですが、骨折の治療を行うあたって、医師の同意が必要となります。
今回の様に書面で頂ければ尚よいですが、口頭のみでも可能です。
例:
患者「接骨院で治療したいのですが」
医師「いいよー」
★超音波骨折治療は今やスタンダード★
疲労骨折が起きた場合、以前は安静指示のみが唯一の治療法でした。いわゆる「日にち薬」です。
ですが、今では超音波を使って早期治癒を目指すのがスタンダードとなりつつあります。
もちろん、当院でも超音波骨折治療器「LIPUS」を利用して早期治癒を目指します。
LIPUSは、骨の癒合を40%早められる治療法で、もちろん骨皮質だけでなく疲労骨折のような骨膜にも同様に作用します。
疲労骨折を起こされる方は、大概は練習好きな方が多いため(または部活やプロのアスリート)、少しでも安静期間を短くしたいとも思われる方が多く、また安静期間が長ければ長いほど復帰までのリハビリが長くなってしまいます。
骨折は、早く治った方が絶対に良いのです。
今回の患者さんは、比較的早い段階で疲労骨折が判明したため、早期治癒が見込めそうです。
疲労骨折は早期発見早期治癒を目指しましょう。
もちろん、疲労骨折をするには理由があります。その理由等も次回当たりに考察したいと思っています。
今回の症例の経過は随時UPしていきます。