症例報告(11/19UP)
ふくらはぎの肉離れ~いち早い社会復帰をめざす~
今回来院された患者さんは、腓腹筋肉離れです。
一週間ほど前に階段を踏み外した際に右ふくらはぎが痛くなったとの事。
整形外科を受診されエコー、レントゲン検査を行い腓腹筋肉離れの診断を受けていました。
医科では特に固定もなく、リハビリもなく安静指示をされたそうです。
歩行時痛が強く、また安静による筋力低下も心配され、また早めの社会復帰を望まれており、HPで当院の「ラジオ波治療」に興味を持たれ来院。
まずは、当院でもエコーで診させてもらいます。
右腓腹筋肉内側頭に圧痛と硬結があり、エコーで同箇所に大きな血腫を認めました。
受傷後一週間であったため、内出血は止まっているものの、血の塊が液状として残っているようです。
このまま血腫を残してしまうと硬結が強く残ってしまうため、低出力のラジオ波・・・非加熱モード・・・を用いて筋の硬結を解除しながら血腫の除去を行います。
同時に、治癒能力を促すためにマイクロカレントを患部に当て、筋力低下を防ぐ目的でEMSも行います。
テーピング固定は行わず。受傷後一定期間経っていることと、歩行時痛も和らいできていること、また早期復帰を目指すため拘縮予防のためにも固定は避けました。
ラジオ波とマイクロカレント、EMSの治療を毎日~隔日で行うこと2週間。
血腫が消退しました。筋組織の瘢痕化=筋硬結の長期残存は避けられそうです。
筋線維の不整がまだ残っておりますので、引き続き、マイクロカレントによる治癒の促進と、ラジオ波の出力を少し上げて、筋組織の柔軟化を行っていきたいと思います。
患者さんからも、痛みがずいぶん楽になったこと、階段の上り下り早くにができるようになったことで助かったとのお声を頂きました。
実はまだまだ完治ではないので、引き続き通院は行ってください!!とりあえずは良かったですね!
大腿骨疲労骨折~エコーで早期発見、LIPUSで早期治療~
先日、当院に大腿骨疲労骨折の患者さんがいらっしゃいました。
患者は高校生で陸上部、種目は長距離。3月初めころより大腿部やお膝周りに痛みが出始め、コーチに相談したところ、疲労骨折かもしれないということでMRIがある整形外科を勧められ受診、レントゲンでは全くわからないものの、MRIでは骨膜の炎症所見と肥厚が見られました(当院でも確認済み)。
疲労骨折を起こしてしまった場合、発見の時期にもよりますが長期の競技離脱もあり得ます。レギュラーのポジションを失うことさえあります。
なるべく早い競技復帰のため、整形外科医師の同意を得て当院でLIPUS治療を開始しました。
LIPUSは骨折治癒を促進する治療法ですが、私自身利用したこともあり、骨折は早く治ることに越したことはないと考えており、接骨院を開院するにあたり、必要不可欠な治療器でした。
骨折治療に欠かせないのはLIPUSだけではありません。エコーによる骨折部位の同定も必要になってきます。皮下直下の骨折であれば圧痛等で(術者自身は)判別ができますが、大腿骨は周囲が大きな筋肉に囲まれ、圧痛だけでなく目視による判断も必要です(患者さんも安心します)。
そして、当院では、学生さんのスポーツ活動を支援する一環で、高校生以下はLIPUSやハイボルトは無料でご利用いただけるようにしています(大学生・短大生・専門生は半額)。
ちなみに、大腿骨疲労骨折は陸上長距離選手に多いとされ、特に中高生に多く感じます。当初はレントゲン像には映らず見逃されがちで、気づいた時には骨膜反応が進んでしまっており治療に難渋することもあります。今回、コーチの方の経験則による賢明な判断で早期発見、早期治療に繋がりました。現場にこういう方がいらっしゃると、選手たちも安心して練習に打ち込めます。また整形外科医師も初診でいきなりMRIを撮られた事に畏敬の念を覚えました。
当院では、LIPUSによる骨折治療と並行し、ラジオ波治療もお勧めしています。筋の拘縮予防やそもそもの硬さを取り除くことも行うと、治療効果だけでなく予防効果にもつながります
まだまだ朝晩は冷え込みます。スポーツをする際にはしっかりとしたウォーミングアップとコンディショニングづくりを心掛けてください!