症例報告(3/9UP)
ふくらはぎの肉離れ~60代女性~
今回は、再び腓腹筋肉離れの症例報告です。
患者さんは60代女性で一昨日にクラッシックバレエの練習中、つま先立ちをした際にふくらはぎに痛みを感じた、との事。昨日、一日様子を見ていたがなかなか痛みが引かず、また週末にイベントを控えており、早期回復を希望され来院されました。
問診にて、受傷時POP音はなかったとの事。
圧痛部位が腓腹筋内側頭やトンプソンテストが陰性だったため、アキレス腱断裂でなく腓腹筋肉離れと推測できます。
また腓腹筋部に陥凹はないため、中軽度の肉離れかもしれません。
ちなみに、腓腹筋肉離れとの鑑別にアキレス腱断裂が挙げられますが、アキレス腱断裂を示唆するもっとも有名なテスト方法がトンプソンテストです。
「トレシピ!」より抜粋(アキレス腱断裂 | トレシピ! (trecipe.jp))
以上の検査や触診で大体の判断はできますが、やはりエコーで確定判断をしたほうが患者さんも安心します。
腓腹筋肉離れはヒラメ筋との境界部で起きやすい。受傷初期の処置が不十分だったりすると血腫が筋膜に沿って広がり消失するのに3~4か月を要することがあり、瘢痕化しやすくなる。
エコーで見る限りは、大きな肉離れではないようです。しかし、ここで処置が不十分だと血腫が広がり治癒が長期化する上に、瘢痕化ししこりのような硬さがずっと残ってしまうことがあります。
十分な処置とは「RICE」処置です。
Rest(安静) Icing(アイシング) Compression(圧迫) Elevation(挙上)
★圧迫固定は弾性包帯(バンテージ)で
当院では軽度の肉離れには包帯圧迫にて対応します。
私は、患者さんご自身でも巻けるよう、綿包帯は使わず弾性包帯を使うようにしています。
綿包帯は、いかにも柔道整復師らしさがでますが、綿包帯で腓腹部を捲き上げるにはそれなりの修練が必要で、例えば、患者さんが入浴時に包帯を外した後、自分で巻かなければならない状況を考えたとき、綿包帯よりも弾性包帯の方がまだ簡易に巻き上げられます。もちろんその包帯巻きの指導も致します。
★テーピングは使わない
最近は、外傷に対してテーピング固定で対応している接骨院・整骨院さんが多いように見受けられますが、テーピングはあくまでも応急用や予防用であり、治療として固定を行うのであれば包帯の方が優れているように感じます。テーピングは固定力が十分ではなく、また長時間貼布を行っていると皮膚がかぶれてしまうのが難点です。また、シップや炎症止めクリームを塗布したりする場合やシーネ固定にも包帯のほうが向いています。
同様に、「サポーターでもよいですか?」とよく聞かれますが、確かにサポーターは装着が簡便なので患者さんとして使いたくなるのは解りますが、やはり固定力が不十分だと感じます。飽くまでもサポーターはサポート(補助)するものであると思ったほうがよいです。
★外傷初期の施術はハイボルトがメイン
包帯圧迫の処置とともに、まずは損傷個所の炎症と痛みを抑える為にハイボルト治療を行います。
ハイボルトは
①疼痛抑制効果
②血流循環増大効果
③浮腫の軽減作用
が期待でき、急性期の外傷向けの施術です。
★肉離れの早期回復のカギは、ラジオ波による温熱治療
固定期間が長ければ長いほど、筋肉や関節の拘縮の恐れが出てきます。即ち、「復帰」の遅れとなりますが、当院では早い段階でラジオ波による温熱療法をリハビリに取り入れ、拘縮予防を行うことでスポーツや日常生活への復帰を早める施療を行います。
ラジオ波は筋肉系の治療に高い効果が期待できるのです。
「早く治すと、患者さんがすぐに来なくなるから、うまい具合に引き延ばせ」
と、昔、アルバイト時代の整骨院の先生に言われたことがあります。
はたしてそれは、患者さんにとって良い事なのでしょうか?
‘患者さんの不利益になってはならない‘・・・早く治した方が良いのです。
今回は受傷後、僅か4日目でラジオ波によるリハビリを開始しました。本来ならば一週間ほど様子を見るのですが、患者さんは週末のイベントに参加することを目標として当院に来院されております。当院としては、その患者さんの思いをなるべく実現できるよう最大限努力するだけです。
もちろん、エコーによる経過観察下においてのリハビリとなります。早くしてもエコーにて血腫の拡大が確認されればその時点でリハビリは中止とし安静を指示します。
加療後6日(受傷後8日)にてエコー観察。
血腫が徐々に消失してはいるものの、まだまだ筋膜の乱れがあり、組織の器質化も懸念される状態
血腫は徐々に消失してきてはいるものの、まだまだ瘢痕化する恐れがあり、慎重にラジオ波によるリハビリを行っていきました。
患者さんもほぼ動作時痛が消失し、週末のイベントにも無事参加されました。
まだまだダンスへの本格復帰は待たなければなりませんが、経過良好の為、受傷後2週間で週1回の通院指導にし、自宅でのトレーニングを指導致しました。
また、治療終了後も、ケガ予防のための定期的なお身体のメンテナンスも指導していきます。
足首の疲労骨折~ジョギング中の突然の痛み~
今回の症例は脛骨内果部の疲労骨折です。
今回の患者さんは、40代女性の方で5月よりランニングを始められ、その後トレランをやったりマラソンを走ったりと、強度の高いランニングを行っていたようです。練習も熱心で、5~10㎞のランニングを週3以上で行っていたそう。
数日前にランニングを終えた後、左足首に違和感を覚え、その夜から腫れてきてそれでも走り続けていたら、歩行時にも痛みを伴ってきたため、心配になり当院に来院されました。
問診時にランニング歴などのお話を伺い、足首を見せてもらいました。お話を伺った時点で想定はしていましたが、脛骨内果部に腫脹を確認、触診にて限局性圧痛も確認できたため、ほぼ確信いたしました。
脛骨内果部の疲労骨折は比較的少ない症例ではありますが、典型的な症例です。
これだけの臨床症状で十分疲労骨折と判断できますが、患者さんを納得させるためにも、そして判断材料の補完のためにも、エコーにて撮像を行います。
疲労骨折初期の場合、骨皮質に変化はないが骨膜反応が起きており、
エコー像においては骨表面に黒い低エコー像が描写される。
エコー像はレントゲン像と違い骨の全体像が映らないため、見方には慣れが必要です。
そのため、普通の患者さんにはこの画像が意味するところまで理解されるのは難しいとは思いますが、それでも、健側と比べてみると異常像が映っているのがわかり、理解してもらうよう努力します。
健患比較は必須条件です。
以上のことで患者さんに理解していただき、骨折の場合は医師の診断が必要なため、近医整形外科を紹介させていただきました。
当院では、骨折の疑いがあると判断した場合、少々遠方にはなりますが、専門医が在籍しMRIを完備されているクリニックを紹介するようにしております。昨今の怪我には、MRI画像による診断は必須となってきているように思えます。
今回、専門医にて疲労骨折の診断を受け、当院での加療の同意も得られました。
★そもそも、疲労骨折とは?
疲労骨折は、1回の大きな力で骨が折れる通常の骨折とは異なり、同じ部位に小さな力が少しずつ加わることで発生する骨折です。慢性的なスポーツ障害のひとつで、ランニングやジャンプなど、同じ動作を繰り返すスポーツ選手に多くみられます。疲労骨折が厄介なのは、痛みがあっても運動を続けられる点です。最初のうちは骨にわずかな亀裂が入った程度でも、無理してプレーを続けていると、やがて完全な骨折に至ります。ケガが原因で起こる外傷骨折と違って、強い痛みや皮下出血、大きな腫れを伴うことはないものの、運動しているときや圧迫したときに痛みを感じることが多いです。痛みのある部位が腫れたり、少し膨らんだりする場合もあります。あきらかな外傷がないため「捻挫だと思っていたら、骨折していた」というケースもあります。からだを動かしているときに関節以外の部位にも痛みがあったり、ケガをした覚えがないのに腫れや痛みが続いたりする場合は、疲労骨折が疑われるので気をつけましょう。「OMRON 痛みwith 」より抜粋
これは個人的な感想ですが、夏場に走り始め、そのレベルを維持しながら秋でも同様のランニングを行っている方に疲労骨折は多いように思います。
かくいう私自身も、同様の条件で昔、第4中足骨の疲労骨折を経験しております。
★当院での治療方法★
まず、大前提ですが、骨折の治療を行うあたって、医師の同意が必要となります。
今回の様に書面で頂ければ尚よいですが、口頭のみでも可能です。
例:
患者「接骨院で治療したいのですが」
医師「いいよー」
★超音波骨折治療は今やスタンダード★
疲労骨折が起きた場合、以前は安静指示のみが唯一の治療法でした。いわゆる「日にち薬」です。
ですが、今では超音波を使って早期治癒を目指すのがスタンダードとなりつつあります。
もちろん、当院でも超音波骨折治療器「LIPUS」を利用して早期治癒を目指します。
LIPUSは、骨の癒合を40%早められる治療法で、もちろん骨皮質だけでなく疲労骨折のような骨膜にも同様に作用します。
疲労骨折を起こされる方は、大概は練習好きな方が多いため(または部活やプロのアスリート)、少しでも安静期間を短くしたいとも思われる方が多く、また安静期間が長ければ長いほど復帰までのリハビリが長くなってしまいます。
骨折は、早く治った方が絶対に良いのです。
今回の患者さんは、比較的早い段階で疲労骨折が判明したため、早期治癒が見込めそうです。
疲労骨折は早期発見早期治癒を目指しましょう。
もちろん、疲労骨折をするには理由があります。その理由等も次回当たりに考察したいと思っています。
今回の症例の経過は随時UPしていきます。
ふくらはぎの肉離れ~いち早い社会復帰をめざす~
今回来院された患者さんは、腓腹筋肉離れです。
一週間ほど前に階段を踏み外した際に右ふくらはぎが痛くなったとの事。
整形外科を受診されエコー、レントゲン検査を行い腓腹筋肉離れの診断を受けていました。
医科では特に固定もなく、リハビリもなく安静指示をされたそうです。
歩行時痛が強く、また安静による筋力低下も心配され、また早めの社会復帰を望まれており、HPで当院の「ラジオ波治療」に興味を持たれ来院。
まずは、当院でもエコーで診させてもらいます。
右腓腹筋肉内側頭に圧痛と硬結があり、エコーで同箇所に大きな血腫を認めました。
受傷後一週間であったため、内出血は止まっているものの、血の塊が液状として残っているようです。
このまま血腫を残してしまうと硬結が強く残ってしまうため、低出力のラジオ波・・・非加熱モード・・・を用いて筋の硬結を解除しながら血腫の除去を行います。
同時に、治癒能力を促すためにマイクロカレントを患部に当て、筋力低下を防ぐ目的でEMSも行います。
テーピング固定は行わず。受傷後一定期間経っていることと、歩行時痛も和らいできていること、また早期復帰を目指すため拘縮予防のためにも固定は避けました。
ラジオ波とマイクロカレント、EMSの治療を毎日~隔日で行うこと2週間。
血腫が消退しました。筋組織の瘢痕化=筋硬結の長期残存は避けられそうです。
筋線維の不整がまだ残っておりますので、引き続き、マイクロカレントによる治癒の促進と、ラジオ波の出力を少し上げて、筋組織の柔軟化を行っていきたいと思います。
患者さんからも、痛みがずいぶん楽になったこと、階段の上り下り早くにができるようになったことで助かったとのお声を頂きました。
実はまだまだ完治ではないので、引き続き通院は行ってください!!とりあえずは良かったですね!
大腿骨疲労骨折~エコーで早期発見、LIPUSで早期治療~
先日、当院に大腿骨疲労骨折の患者さんがいらっしゃいました。
患者は高校生で陸上部、種目は長距離。3月初めころより大腿部やお膝周りに痛みが出始め、コーチに相談したところ、疲労骨折かもしれないということでMRIがある整形外科を勧められ受診、レントゲンでは全くわからないものの、MRIでは骨膜の炎症所見と肥厚が見られました(当院でも確認済み)。
疲労骨折を起こしてしまった場合、発見の時期にもよりますが長期の競技離脱もあり得ます。レギュラーのポジションを失うことさえあります。
なるべく早い競技復帰のため、整形外科医師の同意を得て当院でLIPUS治療を開始しました。
LIPUSは骨折治癒を促進する治療法ですが、私自身利用したこともあり、骨折は早く治ることに越したことはないと考えており、接骨院を開院するにあたり、必要不可欠な治療器でした。
骨折治療に欠かせないのはLIPUSだけではありません。エコーによる骨折部位の同定も必要になってきます。皮下直下の骨折であれば圧痛等で(術者自身は)判別ができますが、大腿骨は周囲が大きな筋肉に囲まれ、圧痛だけでなく目視による判断も必要です(患者さんも安心します)。
そして、当院では、学生さんのスポーツ活動を支援する一環で、高校生以下はLIPUSやハイボルトは無料でご利用いただけるようにしています(大学生・短大生・専門生は半額)。
ちなみに、大腿骨疲労骨折は陸上長距離選手に多いとされ、特に中高生に多く感じます。当初はレントゲン像には映らず見逃されがちで、気づいた時には骨膜反応が進んでしまっており治療に難渋することもあります。今回、コーチの方の経験則による賢明な判断で早期発見、早期治療に繋がりました。現場にこういう方がいらっしゃると、選手たちも安心して練習に打ち込めます。また整形外科医師も初診でいきなりMRIを撮られた事に畏敬の念を覚えました。
当院では、LIPUSによる骨折治療と並行し、ラジオ波治療もお勧めしています。筋の拘縮予防やそもそもの硬さを取り除くことも行うと、治療効果だけでなく予防効果にもつながります
まだまだ朝晩は冷え込みます。スポーツをする際にはしっかりとしたウォーミングアップとコンディショニングづくりを心掛けてください!