症例報告(9/12UP)
ふくらはぎの肉離れ~60代女性~
腓腹筋肉離れ(クラシックバレエ)|症例報告
60代・女性。クラシックバレエ練習中につま先立ちでふくらはぎに痛み。
翌日も痛みが引かず、週末イベントに向けて早期回復を希望して来院されました。
初期評価と鑑別
- 受傷時のPOP音なし
- 腓腹筋内側頭に限局した圧痛
- トンプソンテスト陰性(アキレス腱断裂は否定的)
- 腓腹筋部の陥凹なし → 中〜軽度の肉離れが示唆
参考:アキレス腱断裂の代表的評価(トンプソンテスト)
超音波(エコー)での状態把握


初期対応(RICE)
肉離れ初期はRICEが基本です。
Rest(安静)/Icing(冷却)/Compression(圧迫)/Elevation(挙上)
圧迫は「弾性包帯」で
当院では軽度の肉離れに包帯圧迫を採用。
入浴後など患者さま自身で巻き直しやすいよう、綿包帯ではなく弾性包帯を基本とし、巻き方も指導します。
※最近は、ダイヤ工業のフリーサポーターを利用することが、多くなりました(R7/10/9追記)

テーピングは使わない方針
テーピングは応急・予防には有用ですが、固定力や皮膚トラブルの観点から、
外傷初期の固定には包帯(必要に応じてシーネ)を優先します。サポーターは補助用途として捉えます。
施術方針
① ハイボルト(急性期メイン)
疼痛抑制・循環サポート・浮腫軽減を目的にハイボルトを実施。急性外傷向けのアプローチです。
② ラジオ波(温熱アプローチ)
拘縮予防と早期の機能回復を目指し、早期段階からラジオ波をリハビリに組み込みます。
出力はエコー経過を見ながら段階的に調整し、血腫拡大の兆候があれば即中止します。
「患者さんの不利益にならないこと」を最優先。
早期復帰を目指す場合でも、画像(エコー)で適宜確認しながら進めます。
経過
受傷4日目からラジオ波を含むリハビリを開始(イベントに向けた目標設定)。
適宜エコーで確認し、拡大所見があれば直ちに休止する条件で進行。

動作時痛はほぼ消失し、週末イベントに無事参加。
本格的なダンス復帰は段階を踏むため、受傷2週で週1通院+自宅トレへ移行しました。
まとめ
- 腓腹筋肉離れは初期のRICEと適切な圧迫が要。弾性包帯の再現性が有効。
- 急性期はハイボルトで痛みと炎症のコントロール。
- 早期復帰を狙うなら、エコー監視下でのラジオ波リハビリが有用。
- 目標(イベント等)を共有しつつ、リスク管理を徹底。
※本ページは柔道整復師による症例・対応の紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
症状によっては医療機関での精査・処置が必要な場合があります。
