旧症例報告

2023-11-18 13:00:00

ふくらはぎの肉離れ~60代女性~

今回は、再び腓腹筋肉離れの症例報告です。

 

患者さんは60代女性で一昨日にクラッシックバレエの練習中、つま先立ちをした際にふくらはぎに痛みを感じた、との事。昨日、一日様子を見ていたがなかなか痛みが引かず、また週末にイベントを控えており、早期回復を希望され来院されました。

 

問診にて、受傷時POP音はなかったとの事。

圧痛部位が腓腹筋内側頭やトンプソンテストが陰性だったため、アキレス腱断裂でなく腓腹筋肉離れと推測できます。

また腓腹筋部に陥凹はないため、中軽度の肉離れかもしれません。 

 

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ちなみに、腓腹筋肉離れとの鑑別にアキレス腱断裂が挙げられますが、アキレス腱断裂を示唆するもっとも有名なテスト方法がトンプソンテストです。

 

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「トレシピ!」より抜粋(アキレス腱断裂 | トレシピ! (trecipe.jp)

 

以上の検査や触診で大体の判断はできますが、やはりエコーで確定判断をしたほうが患者さんも安心します。

 

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腓腹筋肉離れはヒラメ筋との境界部で起きやすい。受傷初期の処置が不十分だったりすると血腫が筋膜に沿って広がり消失するのに3~4か月を要することがあり、瘢痕化しやすくなる。

 

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エコーで見る限りは、大きな肉離れではないようです。しかし、ここで処置が不十分だと血腫が広がり治癒が長期化する上に、瘢痕化ししこりのような硬さがずっと残ってしまうことがあります。

 

十分な処置とは「RICE」処置です。

Rest(安静) Icing(アイシング) Compression(圧迫) Elevation(挙上)

 

★圧迫固定は弾性包帯(バンテージ)で

 

当院では軽度の肉離れには包帯圧迫にて対応します。

私は、患者さんご自身でも巻けるよう、綿包帯は使わず弾性包帯を使うようにしています。

綿包帯は、いかにも柔道整復師らしさがでますが、綿包帯で腓腹部を捲き上げるにはそれなりの修練が必要で、例えば、患者さんが入浴時に包帯を外した後、自分で巻かなければならない状況を考えたとき、綿包帯よりも弾性包帯の方がまだ簡易に巻き上げられます。もちろんその包帯巻きの指導も致します。

 

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★テーピングは使わない

 

最近は、外傷に対してテーピング固定で対応している接骨院・整骨院さんが多いように見受けられますが、テーピングはあくまでも応急用や予防用であり、治療として固定を行うのであれば包帯の方が優れているように感じます。テーピングは固定力が十分ではなく、また長時間貼布を行っていると皮膚がかぶれてしまうのが難点です。また、シップや炎症止めクリームを塗布したりする場合やシーネ固定にも包帯のほうが向いています。

同様に、「サポーターでもよいですか?」とよく聞かれますが、確かにサポーターは装着が簡便なので患者さんとして使いたくなるのは解りますが、やはり固定力が不十分だと感じます。飽くまでもサポーターはサポート(補助)するものであると思ったほうがよいです。

 

★外傷初期の施術はハイボルトがメイン

 

包帯圧迫の処置とともに、まずは損傷個所の炎症と痛みを抑える為にハイボルト治療を行います。

ハイボルトは

①疼痛抑制効果

②血流循環増大効果

③浮腫の軽減作用

が期待でき、急性期の外傷向けの施術です。

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★肉離れの早期回復のカギは、ラジオ波による温熱治療

 

固定期間が長ければ長いほど、筋肉や関節の拘縮の恐れが出てきます。即ち、「復帰」の遅れとなりますが、当院では早い段階でラジオ波による温熱療法をリハビリに取り入れ、拘縮予防を行うことでスポーツや日常生活への復帰を早める施療を行います。

ラジオ波は筋肉系の治療に高い効果が期待できるのです。

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「早く治すと、患者さんがすぐに来なくなるから、うまい具合に引き延ばせ」

 

と、昔、アルバイト時代の整骨院の先生に言われたことがあります。

はたしてそれは、患者さんにとって良い事なのでしょうか?

‘患者さんの不利益になってはならない‘・・・早く治した方が良いのです。

 

今回は受傷後、僅か4日目でラジオ波によるリハビリを開始しました。本来ならば一週間ほど様子を見るのですが、患者さんは週末のイベントに参加することを目標として当院に来院されております。当院としては、その患者さんの思いをなるべく実現できるよう最大限努力するだけです。

 

もちろん、エコーによる経過観察下においてのリハビリとなります。早くしてもエコーにて血腫の拡大が確認されればその時点でリハビリは中止とし安静を指示します。

 

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加療後6日(受傷後8日)にてエコー観察。

血腫が徐々に消失してはいるものの、まだまだ筋膜の乱れがあり、組織の器質化も懸念される状態

 

血腫は徐々に消失してきてはいるものの、まだまだ瘢痕化する恐れがあり、慎重にラジオ波によるリハビリを行っていきました。

患者さんもほぼ動作時痛が消失し、週末のイベントにも無事参加されました。

 

まだまだダンスへの本格復帰は待たなければなりませんが、経過良好の為、受傷後2週間で週1回の通院指導にし、自宅でのトレーニングを指導致しました。

また、治療終了後も、ケガ予防のための定期的なお身体のメンテナンスも指導していきます。