症例報告(9/12UP)
腰椎分離症(腰椎疲労骨折)の症例報告
腰椎分離症折(腰椎疲労骨折)の症例報告
第五腰椎に起こりやすい、椎弓部の疲労骨折を指す
患者さんの基本情報
- 年齢:13歳(中学1年生)
- 背景:サッカー部に所属するスポーツ青年。12月下旬の練習中に鋭い腰痛を訴え、整形外科で腰椎疲労骨折の疑いを指摘される。その後、別の整形外科にてMRI検査が行われ、腰椎疲労骨折の確定診断を受ける。
腰椎分離症の病期と重要性
腰椎分離症は以下の3段階に分けられます:
- 初期(疲労性骨膜炎期):骨膜や骨にストレスがかかり炎症が起きた状態。この段階で適切な治療を行えば100%治癒が期待できます。
- 進行期(不完全骨折期):疲労骨折が生じた状態で、骨癒合が可能な段階。治療により約50~80%の治癒率が期待されます。
- 末期(分離期):骨が完全に分離し、癒合が不可能な状態。慢性腰痛や運動制限のリスクが高まります。
今回の患者さんは初期~進行期で、早期治療が重要な段階と判断されました。
左から 初期 進行期 末期
臨床スポーツ医学25:759~765.2008より一部抜粋
MRI読影と当院のアプローチ
当院では、医師が撮影したMRI画像をもとに病期を評価し、患者さんやご家族へ治療計画をわかりやすく説明しています。院長の米倉は整形外科勤務歴7年の経験があり、MRIを含む画像診断の読影スキルを活かして適切なサポートを行っています。今回の患者さんについても、MRI画像を確認した結果、初期~進行期に該当すると判断し、早期回復を目指した治療方針を提案しました。
医師の許可を得て、患者さんよりお預かりをし、親御さんに説明を行いました。
LIPUS治療が推奨される理由
腰椎疲労骨折の治療には、**LIPUS(低出力超音波治療器)**が科学的に効果的であることが証明されています。
- 骨癒合率向上:通常の骨癒合率(51.8%)がLIPUS治療により80.9%まで向上した研究報告があります。
- 治療期間短縮:治癒期間を約41.6%短縮するエビデンスがあります。
- 非侵襲的:痛みを伴わず、1回20分間寝ているだけで実施可能です。
当院でLIPUS治療中の写真。側臥位+体幹屈曲位で棘突起を張り出させ、LIPUSを20分照射する。
参考文献
「成長期腰椎分離症に対する低出力超音波パルス治療の効果 照射の有無および頻度が治療期間に及ぼす影響」
「思春期腰椎分離症の分離部骨癒合促進を目的とした 低出力超音波パルス治療(LIPUS)の応用」
成長期の子どもたちにも安心して利用できる治療法として推奨されています。
料金と利用条件
よねくら接骨院では、高校生以下の患者さんに対して、LIPUS治療を無料で提供しています。また、医療助成制度の利用により、患者さんのご負担を軽減する料金体系を整えています:
- 東京都内在住(医療助成制度利用):1回0円~200円程度
- 都外在住(保険適用):3割負担で1回500円
※LIPUS治療の料金は、医師の骨折治療への同意が得られている場合に限ります。
※通常料金について(注釈)
医師の同意が得られない場合、保険適用は不可となり、以下の料金が適用されます:
- 施術料:1回1,300円+LIPUS利用料(10分500円、20分1,000円)
- 初診時:別途検査料が加算される場合があります。
現在の治療経過とリハビリ
現在、患者さんは毎日当院でLIPUS治療を受けており、整形外科ではリハビリや関節可動域訓練を並行して実施しています。腰椎疲労骨折の原因の一つに股関節や脊椎の可動域低下が挙げられるため、LIPUS治療と適切なリハビリが重要です。
考察
腰椎分離症は、早期診断と適切な治療が回復を左右します。特に初期段階での対応が不可欠であり、治療を遅らせると骨癒合が不可能になり、慢性腰痛や運動障害のリスクが高まります。
当院では、エビデンスに基づくLIPUS治療や、患者さん一人ひとりに寄り添った説明を通じ、最適な治療を提供しています。医師との連携も重視し、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
腰部脊柱管狭窄症

◎脊柱管狭窄症とは?
脊柱管狭窄症は、脊柱管(背骨の中にある神経の通り道)が加齢や骨の変形、靱帯の肥厚などで狭くなることで、神経を圧迫し、腰痛や足のしびれ、感覚鈍麻、歩行困難を引き起こす疾患です。特に間欠性跛行(一定距離を歩くと痛みやしびれが強くなり、休むと改善する症状)が特徴的です。
★患者さんの経緯★
今回の患者さんは70代後半の男性。昨年11月に来院されました。主な症状は左足の甲へのしびれと感覚低下。しかし、腰痛は現在は無いとのことです。趣味はソフトテニスですが、散歩中に気になる症状が…。
患者さんに詳しくお話を伺うと、散歩をしていると3分ほどで腰から左足にかけて痛みが強くなり、休むと回復し、また歩くと痛くなる、というパターンを繰り返すそうです。この症状は「間欠性跛行」と呼ばれます。
★診断と治療★
★よねくら接骨院での治療★
1. ラジオ波治療
ラジオ波治療では、**深部に直接熱を届ける特性**を活かし、神経症状の原因となる周囲の筋肉や靱帯の緊張を緩和し、血流を改善します。当院では、これに加えて手技療法を組み合わせ、ラジオ波で緩んだ組織を効率的に調整することで、神経への圧迫を軽減させます。
2. ハイボルト治療
神経症状を直接緩和し、しびれや痛みの改善を図ります。
3. ストレッチと運動指導
筋力の維持と柔軟性の向上を目的に、ストレッチや軽い運動を指導します。患者さんの状態に応じた無理のないメニューで、症状の改善と再発防止をサポートします。
遠方から市外より来院された患者さんのため、通院が負担にならないよう、週1回20分程度の治療計画を立てました。短時間ながらも効果的な治療で、日常生活の質を向上することを目指します。
★経過報告★
週1回の治療を続けていただき、1カ月が経過しました。以下のような改善が見られています:
- 歩行可能時間が3分から10分に延長
- 左足甲のしびれや感覚鈍麻はほぼ消失
- 坐骨神経への圧痛も解消
- 大腿部後面に多少の痛みを残す程度まで回復
また、中止していた趣味のソフトテニスも、少しずつ再開できるようになったとのことです。
★治療費について★
腰部脊柱管狭窄症の治療費は、症状や施術時間に応じて異なります:
- 〇標準的な施術: 20分の施術料金(2,500円)+ラジオ波(1,500円)+ハイボルト(300円)で 4,300円。
- 〇症状が軽度の場合: 10分の施術料金(1,300円)+ラジオ波(1,000円)+ハイボルト(300円)で 2,600円 となる場合があります。
患者さんの状態に合わせた柔軟な治療を提案していますので、ご不明点があればお気軽にお問い合わせください!
★当院の取り組み★
当院では、通常3~5カ月かけて腰部脊柱管狭窄症の症状緩和から消失を目指し、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てています。ラジオ波の特性を活かした手技療法やストレッチ指導を組み合わせ、短期間での症状改善を目指し、患者さんのQOL(生活の質)の向上をお手伝いします。
★最後に★
腰部脊柱管狭窄症は、適切な治療を受ければ改善が可能な疾患です。散歩や趣味が思うように楽しめないとお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください!😊
ぎっくり腰~仙腸関節性の急性腰痛
ぎっくり腰(仙腸関節由来の腰痛)
急な動作で腰がピキッと…。
骨盤のズレによる痛みには適切な評価とアプローチが重要です。
寒さで急増中!ぎっくり腰の症例(30代・男性)
11月初旬、急な腰痛を訴える患者さんがLINEから連絡。
子どもと遊んでいた際に中腰姿勢から身体を起こす瞬間、腰に激痛が走り、そのまま動けなくなったとのこと。
来院後の評価で、痛みの発生源は仙腸関節のズレと判断。仙腸関節は骨盤の安定性を支える重要な関節で、ズレが起こると鋭い痛みが出現します。
仙腸関節性腰痛の確認テスト
- ニュートンテスト: うつ伏せで仙骨を上から圧迫 → 痛み誘発で陽性
- HIBBテスト: 股関節を内旋させて仙腸関節に負荷 → 痛みが出れば陽性
よねくら接骨院での対応
- ラジオ波温熱療法
温熱効果で筋緊張と靱帯のこわばりを緩和。深部までしっかり温めて痛みの軽減を図ります。

- トムソンベッドによる骨盤矯正
関節を無理なく矯正できる専用ベッドで仙腸関節のズレを調整します。

- ハイボルト+マイクロカレント療法
鎮痛・抗炎症・回復促進を目的に、電気療法を併用して施術。
経過と今後のケア
初回施術後、翌日には日常動作が可能な状態に。再発予防を目的に、1か月程度の軽運動・リハビリ通院を推奨しています。
コルセットには頼らず、自然治癒力と運動療法で根本改善を図る方針です。
症状や状態に応じて、医療機関の紹介・精査をご案内することもあります。
よねくら接骨院では休日・時間外の急患にも対応。
LINEまたはお電話でお気軽にご連絡ください。
急性腰痛(ぎっくり腰)
ぎっくり腰(急性腰痛)|よねくら接骨院の考え方
「ぎっくり腰=腰を痛めた瞬間」ではなく、その背景にある関節や筋肉の働きの乱れに注目することが大切です。
ここでは、院長・米倉による急性腰痛への考え方をご紹介します。
非特異的腰痛と特異的腰痛
「ぎっくり腰で病院に行ったけれど、レントゲンでは異常なし。
シップと痛み止め、あとは安静を指示された」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際、ぎっくり腰の多くは非特異的腰痛と呼ばれ、画像検査で明確な異常が認められないタイプです。
一方で、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など画像で確認できるものは特異的腰痛とされます。
仙腸関節障害タイプのぎっくり腰
よねくら接骨院で経験上多く見られるのが、仙腸関節障害によるタイプ。
特に中腰姿勢からの立ち上がりや、長時間同じ姿勢が続いた後の動作で「グキッ」となるケースが多いです。

仙腸関節は「不動関節」ではない
教科書上は「ほとんど動かない関節」とされていますが、実際には歩行時などに数ミリ程度の動きがあることが分かっています。
そのわずかなズレが適正範囲を超えると、鋭い痛みとして現れます。
出産時にも仙腸関節は一時的に大きく動くため、産後腰痛の原因にもなります。
ズレを整え、関節まわりの緊張をゆるめることで、痛みの軽減が期待できます。
当院での対応
- ラジオ波で仙腸関節まわりの筋・靭帯の緊張を緩める(数分間)
- トムソンベッドによる仙腸関節の調整(短時間で実施)
- ハイボルトで発痛物質の除去と鎮痛をサポート(約10分)


炎症や痛みの軽減は体の自然な治癒反応に依存します。
多くの場合、数週間での回復が期待されます。
コルセットは必要?
当院では、基本的にコルセット固定は推奨していません。
一時的な安定は得られますが、筋活動や血流を妨げ、回復を遅らせる恐れがあるためです。
近年では、安静よりも日常生活レベルで動かすことが早期回復につながるとされています。
まとめ
腰痛には多くのタイプがあり、まずは「特異的」か「非特異的」かを見極めることが重要です。
その上で、関節・筋肉どちらが主な要因かを判断し、適切なアプローチを選択します。
ぎっくり腰でお困りの際は、安静だけでなく、筋肉・関節を整える施術を受けることで
より早く日常生活へ戻れるケースも多く見られます。お気軽にご相談ください。
※本ページは柔道整復師による見解・施術例の紹介であり、医師の診断や治療を代替するものではありません。
強い痛みや下肢のしびれなどを伴う場合は、医療機関への受診をお勧めいたします。






