症例報告(5/15UP)
大腿骨疲労骨折~【高校生陸上選手の大腿骨疲労骨折】早期発見とLIPUS施療でスムーズな復帰へ
大腿骨疲労骨折
長距離ランナーに多い大腿骨の疲労骨折。今回は、早期の対応と当院でのLIPUS施療により、競技復帰を目指す高校生アスリートの症例をご紹介します。
◆ 概要
高校生陸上部の長距離選手が、大腿部や膝周辺の痛みを訴え来院。MRI検査で大腿骨疲労骨折と判断され、整形外科との連携のもと当院にてLIPUS施療を実施。骨折部位へのアプローチと周囲筋のコンディショニングも同時に行い、早期復帰を目指しています。
◆ 疲労骨折とは
繰り返しの運動負荷で骨に小さなひびが入る状態です。
◆ 今回のケース
高校陸上部で長距離を走る学生さん。3月頃から大腿部〜膝周りの痛みが続き、MRIで大腿骨の疲労骨折と判断されました。早期対応により、長期離脱を避けられる見込みです。
◆ 施術内容と取り組み
1. エコーとMRIによる的確な判断
疲労骨折は、発症初期ではレントゲンに写らないことが多く、見逃されやすいのが特徴です。今回は整形外科でMRI検査が行われ、骨膜の炎症と肥厚を確認。当院でもエコーにより部位を再確認しました。大腿骨のように筋肉に囲まれた部位では、圧痛や視診だけでの判断が難しいため、画像での補助が非常に重要です。
整形外科ご厚意によるXPとMRI像
当院によるエコー検査
2. LIPUSによる骨折部の施療
LIPUS(低出力パルス超音波)は、骨折の回復を促す非侵襲的な施術法として知られています。今回も医師の同意を得た上で導入しました。LIPUSは特に疲労骨折のような微細な骨損傷に有効とされ、競技への早期復帰を支援します。
### 参考文献(LIPUS関連)
1. 伊藤超短波株式会社 オステオトロンV(LIPUS機器)紹介ページ
2. アルケア株式会社「〈オステオトロンV〉を適正にご使用いただくために」(使用方法ガイド)
3. 『臨床整形外科』48巻10号(2013年10月)-LIPUSの基礎・臨床応用特集
4. 厚生労働省「医療技術評価提案書」-橈骨遠位端骨折におけるLIPUSの有効性
3. ラジオ波による筋肉コンディショニング
大腿骨周囲は大きな筋群に囲まれており、筋の拘縮があると回復が遅れることがあります。当院ではLIPUSに加え、深部加温が可能なラジオ波を用いて、筋肉の硬さを緩和し、患部周囲の状態を整える施術を併用しています。
◆ よねくら接骨院の取り組み
当院ではスポーツに励む学生を応援しています。高校生以下の方には、LIPUSおよびハイボルト電気施術を無料でご提供しています(大学・専門学生は半額)。骨折や捻挫、成長期の痛みなども、状態に応じた適切なケアを行っております。
◆ よくある誤解
「レントゲンで異常がない=問題なし」と思われがちですが、疲労骨折の初期は画像に映らないことも多く、痛みを無視して運動を続けると悪化する恐れがあります。少しでも違和感がある場合は、早めの受診が重要です。
◆ おわり
今回のように、現場のコーチや保護者の早期対応が選手の未来を守ることに繋がります。当院では、競技を続ける皆さまが安心して通える環境を整えております。朝晩の冷え込みが続く季節、ウォーミングアップやクールダウンを丁寧に行い、ケガの予防を意識してスポーツに取り組みましょう。