症例報告(9/12UP)

2023-03-19 17:50:00

大腿骨疲労骨折

大腿骨疲労骨折|症例紹介

長距離ランナーに多い大腿骨の疲労骨折。
今回は、早期対応とLIPUS施術によって競技復帰を目指す高校生アスリートのケースをご紹介します。

概要

高校生の陸上部長距離選手が、大腿部〜膝周辺の痛みを訴えて来院。
整形外科でのMRI所見により疲労骨折が確認され、医師との連携のもとLIPUS施術を実施
骨部への刺激に加え、周囲筋群のコンディショニングを並行して行い、競技復帰を支援しました。

疲労骨折とは

繰り返しの運動や負荷によって、骨の一部に微細なひびが入った状態を指します。
主に長距離ランナーや跳躍競技など、同部位への反復ストレスが原因となります。

今回のケース

陸上部で日常的に長距離を走る高校生。
3月頃から続く大腿部の痛みを放置していたところ、MRIで疲労骨折が判明しました。
早期の対応により、長期離脱を避けられる見込みとなりました。

施術内容と取り組み

1. エコーとMRIによる部位確認

疲労骨折は初期ではレントゲンに写らないことも多く、画像による補助的な観察が重要です。
整形外科でMRI検査を行い、骨膜の炎症と肥厚を確認。当院でもエコーで再確認しました。
筋肉に囲まれた大腿骨周辺は圧痛だけでは判断が難しく、画像観察が有効です。

XP像.jpg 炎症反応.jpg
整形外科でのXP・MRI所見(ご提供協力)
大腿骨疲労骨折.jpg
当院でのエコー観察

2. LIPUSによる骨部への刺激

LIPUS(低出力パルス超音波)は、骨組織の修復過程をサポートする非侵襲的な施術法です。
医師の同意を得て導入し、疲労骨折のような微細損傷に適した刺激を加えることで、自然な回復力を支援します。

参考文献

  • 伊藤超短波株式会社「オステオトロンV」紹介ページ
  • アルケア株式会社「〈オステオトロンV〉適正使用ガイド」
  • 『臨床整形外科』第48巻10号(2013年)LIPUS特集号
  • 厚生労働省 医療技術評価提案書「橈骨遠位端骨折におけるLIPUSの有効性」

3. ラジオ波による筋コンディショニング

大腿骨周囲は大きな筋群に囲まれており、拘縮や血流低下が回復を妨げる場合があります。
当院ではLIPUSに加え、ラジオ波温熱を併用し、深部を穏やかに温めて筋の柔軟性を高め、バランスを整えます。

よねくら接骨院の取り組み

スポーツに励む学生を応援しています。
高校生以下の方はLIPUSおよびハイボルトを無料対応(医師の同意が必要な場合あり)。
骨折・捻挫・成長期の痛みなど、各年代・競技に応じた施術を行っています。

よくある誤解

「レントゲンで異常がない=問題なし」と思われがちですが、疲労骨折初期は画像に映らないことも多いです。
違和感や鈍い痛みが続く場合は、早めの相談と安静の判断が重要です。

おわりに

コーチや保護者の早期対応が、選手の未来を守ります。
当院では、学生アスリートが安心して練習を続けられるようサポート体制を整えています。
季節の変わり目は冷えによる筋緊張も起こりやすく、ウォームアップ・クールダウンの徹底がケガ予防につながります。

※本記事は柔道整復師による施術紹介を目的とした内容であり、診断や治癒を保証するものではありません。
状況により医療機関での精密検査・加療が必要となる場合があります。