症例報告(9/12UP)

2023-12-05 15:10:00

アキレス腱炎~放っておいてはダメ!~

「放っておいては危ない」アキレス腱炎

今回来院された方

  • 30代・男性/週1回のバスケット(練習・大会に出場)
  • 8月:サンダルで長時間歩行後からアキレス腱部に違和感→一度は通院するも中断
  • 10〜11月:再び気になり整形外科へ。レントゲン後に「アキレス腱炎」と言われ湿布のみ。
  • 痛みが改善せず不安となり、当院での超音波(エコー)観察を希望し来院。

まずは状態把握(エコー)

医療機関での所見をふまえ、当院でも超音波(エコー)で状態を確認。
レントゲンは骨や石灰化の把握に有用ですが、腱実質の変化はエコーの方が得意です。
稀に「腱炎だと思っていたが部分断裂が隠れていた」ケースもあるため、画像での補助確認は重要です。

エコー画像 (7).png
アキレス腱の長軸像。右が患側。腱実質の肥厚炎症所見を確認。

放置のリスク

  • 慢性化しやすく、違和感が長引く
  • 腱の柔軟性低下 → 動作時の負担増
  • スポーツ再開時に部分断裂・断裂へ進むリスク

気になる痛みを「様子見」で繰り返すと、回復に必要な期間が長くなる傾向があります。
早めの状態確認と段階的なケアが、競技復帰への近道です。

当院の対応(状態に合わせた使い分け)

エコーで腱の状態(腱実質の肥厚/炎症の有無)を確認し、下記を組み合わせます。

① ラジオ波(深部温熱)+手技

腱実質の肥厚傾向が強い場合は、ラジオ波の温熱で局所循環と柔軟性を高め、
前後の筋・筋膜を含めて滑走性の改善を目指します。

IMG_0327.JPG
ラジオ波は腱炎系のケアと好相性。柔軟性の回復をサポート。

② ハイボルト/マイクロカレント

  • 炎症反応がある場合:ハイボルトで鎮痛・炎症の沈静化をサポート
  • 炎症が落ち着いている場合:微弱電流(マイクロカレント)で回復環境を整える

通い方の目安(期間と頻度)

  • 急性寄り(痛みが強い・発症間もない)
    太く短く——最初は間隔を詰めて集中的に。短期で収束を狙います。
  • 慢性寄り(長く続く・再燃を繰り返す)
    細く長く——週1〜2回を目安にマイペースで継続。セルフケアも併用。

※「2週間に1回」「月1回」程度では、慢性例の改善は難しいことが多いです。
改善実感には一定の頻度と継続が欠かせません。

セルフケアのポイント

  • 痛みが落ち着くまではジャンプ・全力ダッシュを回避
  • ふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋)の軽いストレッチを痛くない範囲で
  • 運動再開はウォーク → ジョグ → 競技動作の順で段階的に
  • シューズのヒールドロップ・クッション性・摩耗を点検

まとめ

アキレス腱炎は、放置で慢性化・断裂リスクにつながることがあります。
よねくら接骨院では、エコーで状態を把握し、ラジオ波・ハイボルト・手技などを状況に応じて使い分け、
日常と競技の両立を目指した現実的なケアプランをご提案します。

※本ページは柔道整復師による症例・対応の紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
症状によっては医療機関での精査・処置が必要な場合があります。