症例報告

2023-08-02 15:38:00

踵骨骨端症(シーバー病)~小学校低学年に多い、踵の痛み~

今回は踵骨骨端症(シーバー病)についてです。

スポーツ活動が盛んな子供がかかってしまう病気です。小学校2年生~4年生あたりの子が多いと感じています。

今回の患者さんもやはりバスケ(ミニバス)を一生懸命頑張っている子でした。

 

以前から左の踵が痛く整形外科にてシーバー病の診断を受けており、リハビリを行っていたら今度は右踵が強く痛むようになってしまい、とにかく痛みを止める方法はないかと、当院を受診されました。

 

エコー画像 (5).png

 

整形外科に診断とリハビリを受けられているのですが、念のため当院でもエコーにて確認。

痛みが強くなった右踵は、踵骨の骨端核が分離し少し剝がれてきているようにも見えます。

あまり良い状態ではないようです。左踵もシーバー病の状態を呈しています。

 

~施術~

 

患者さん(&親御さん)のご希望として、とりあえず痛みを取ってほしいとの事でした。

 

 

急な痛みを取り除くには、ハイボルトが一番です。さらに、当院では下腿の筋とアキレス腱の緊張を取り除くためにラジオ波も使用します。

 

また、骨端症といった骨の障害にはLIPUSを使い、治癒の促進、治療期間の短縮を目指します。

 

 

今回の患者さんはリハビリは整形外科で行いたいとの事で、当院では痛みの除去を念頭においての施療となりました。

この場合、整形外科リハビリテーションとの同時の施療は、接骨院では完全自費となってしまうことを説明しなくてはなりません。

 

(整形外科にて診断を、リハビリは接骨院でのみ希望の場合は、接骨院でも保険適用となる場合がございます)

また、LIPUSは中長期的に続けて利用することで初めて効果があり、単発利用は効果が薄いということで今回は利用しませんでした。

 

~施療時間~

 

施療自体の時間は20分程。初診の方でしたので問診や検査等もあり全体で50分程度でした。

 

~費用~

 

初診料と自費(ハイボルトは小中学生は無料、ラジオ波半額の500円、ほか自費施術料)で4000円ほどでした。

保険適用となった場合、医療助成があり1000円以内となることが多いです。

 

~まとめ~

 

踵骨骨端症治療において、まず医療サイドから言われることは、「スポーツを中止する」だと思います。私も、整形外科で働いている時、そのように患者さんに伝えておりました。

 

しかし、実際はどうでしょうか? 医療サイドが止めても、スポーツを続けていくお子さんが多いのが現実です。であれば、痛みを一時的にでも取り除き、その原因筋をほぐして少しでも痛みを抑えながらもスポーツ活動を続けてもらい、痛みの度合いによってスポーツ活動の制限をコントロールしていくような、患者サイドと医療サイドの歩み寄りが必要だと私個人は思っております。

もちろん、限度はあります。レッドラインを超えるような痛みや症状が出た場合は、すぐに中止してもらう判断と勇気をお互いに理解してもらうことが前提です。

以上のことから、当院では、お子さんのスポーツ活動や状況に応じて、提案を行いながら施療を行っています。