症例報告(9/12UP)
踵骨骨端症(シーバー病)~小学校低学年に多い、踵の痛み~
踵骨骨端症(シーバー病)|症例紹介
スポーツが盛んな小学生に多い踵(かかと)の痛み。
 とくに小学2〜4年生でのご相談が目立ちます。
来院背景
ミニバスに一生懸命取り組むお子さま。以前から左踵の痛みで整形外科を受診し、
 シーバー病と説明を受けてリハビリを続けていましたが、今回は右踵の痛みが強くなり、
 「とにかく今の痛みをなんとかしたい」と当院へ来られました。
エコーでの確認
医療機関での評価を受けられていましたが、当院でも超音波エコーで状態を確認しました。

痛みの強い右踵は、踵骨の骨端核が分離し、やや剝がれ気味にも見える所見。
 左踵もシーバー病を示唆する状態がみられ、全体として負担過多がうかがえました。
学校・部活動の負荷量調整を含めてサポートします。
当院の対応(痛みの軽減を最優先)
① ハイボルト(高電圧刺激)
急な痛みの軽減を狙う際に有用です。短時間での疼痛緩和を目指します。
② ラジオ波(深部温熱)
下腿の筋(腓腹筋・ヒラメ筋)やアキレス腱の緊張を和らげ、踵への牽引ストレスを減らす狙いです。
③ LIPUSの方針
骨端部のケアにはLIPUSが選択肢になりますが、継続的な利用で効果が出やすいため、
 今回はご家族の希望(医療機関でのリハビリ継続、当院では痛み対策に集中)を尊重し、
 単発利用は行わず、ハイボルトとラジオ波を中心に進めました。
他機関との併用について
今回は「リハビリは整形外科で、当院では痛みの軽減を重点的に」というご希望でした。
 整形外科リハビリとの同時期併用の場合、接骨院での対応は自費となることが一般的です。
 (医療機関で診断を受け、リハビリを接骨院でのみ行う場合は、状況により保険適用となるケースもあります)
施療時間の目安
施療自体は約20分。初診のため問診・状態確認を含め、全体で約50分でした。
費用の目安
初診料+自費:約4,000円(例)
 ※当院では小中学生はハイボルト無料、ラジオ波は半額(500円)。
 ※保険適用となる場合、医療助成があり1,000円以内に収まることが多いです。
スポーツと痛みの“現実的な折り合い”について
医療側はまず「一時中止」を推奨しがちですが、実際には続けたいお子さまも多いのが現実です。
 当院では、痛みの強さを指標に活動量をコントロールしながら、
 炎症期は軽減策(ハイボルト・ラジオ波・アイス/休息)、回復期は負荷管理と柔軟性改善へと段階的に移行します。
もちろんレッドライン(強い痛み・跛行・夜間痛の悪化・腫脹増悪)を超える場合は、
 速やかな休止・再評価が前提です。保護者・指導者の方と情報を共有しながら進めます。
保護者の方へ(セルフケアのヒント)
- 練習前後のふくらはぎストレッチと足底の軽いリリース
 - 週内の完全休養日の設定(最低1日は目安)
 - シューズの踵カップの硬さ・サイズの再確認、インソール検討
 - 痛みが出たら冷却+休息、再開時は段階的に強度アップ
 
まとめ
踵骨骨端症は成長期特有の負担が関与するため、完全な休止が難しい現場との調整が鍵です。
 よねくら接骨院では、痛みの軽減と負荷管理を両立し、
 お子さま・保護者・指導者と歩調を合わせながら、最善の選択を一緒に考えます。
※本ページは柔道整復師による施術・応急対応の紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
 状態により、医療機関での精密検査や活動制限の見直しが必要となる場合があります。