症例報告(11/19UP)
母指CM関節症~親指の付け根が痛み始めたら~早期治療で慢性症状を止めましょう~
今回は先日来院された患者さんで、母指CM関節症です。
60代女性の方で、ここ最近親指の付け根に痛みを感じ始め、昨夜からかなり強く痛みを感じたとのこと。
エコーで撮ってみると、かなり変形が進んでいるようです。骨棘も見受けられます。
CM関節症は関節リウマチとの鑑別が必要ですが、問診やエコーのドプラ画像(関節内の血流を見ることができます)に観察により、今のところリウマチは否定できるようです。
CM関節症は使い過ぎや、加齢によるもの、女性ホルモン変化などが原因とされ、関節の変形を伴うため一度進発症するとどんどん関節変形が進んでいきますので、早い段階で変形を止めるための治療が必要となってきます。
今回の患者さんも、この辺で変形を止めておかないと変形が進み関節脱臼が起きたりして手術(関節固定術)が必要となってしまう可能性がありますので、しっかり施術させていただきます。
★母指CM関節症の治療内容
①ラジオ波による温熱治療
まず、ラジオ波温熱療法により関節周囲の疼痛を和らげ、筋緊張緩和や靱帯の弛緩を図り、可動域の確保を行います。
②ハイボルトによる鎮痛消炎
変形初期で痛みが強い場合はハイボルトによる消炎鎮痛を行います。
③LIPUS(超音波パルス療法)にて変形抑制
LIPUSを関節軟骨に照射し、変形の進行を防ぎます。またLIPUS自体にも抗炎症と鎮痛作用があります。
④専用サポーターで安静・関節保持
サポーターで日常生活での動作をサポートします。水に濡れても大丈夫な専用サポーターのため、家事炊事での使い勝手がよいのが特徴です。
★施術経過★
★4月初旬に来院: エコーによる検査を行い、変形の程度、関節炎の有無、関節可動域の確認。ラジオ波・ハイボルト・LIPUSを行い、専用サポーターにて安静を図る。 初回時:初診料1,500円 検査料1,500円 エコー検査料500円 ラジオ波(5分)500円 LIPUS500円 ハイボルト0円(LIPUS併用によるサービス料金) 専用サポーター2,500円 計 7,000円
来院指導:週1回の通院で様子を見る 次回時より一回1,500円 ★5月中旬疼痛軽減、日常生活での不便さはなくなり、通院頻度を2週間に1回ほどに落としながら様子を見ていくことに。 |
シーバー病~スポーツKIDSに多発!~踵骨骨端症にはLIPUSが効く~
シーバー病とは?
シーバー病は、踵骨の骨端症です。子供の踵は成長軟骨や骨端核が存在しており、大人の踵ほど強くはありません。スポーツ活動で硬くなったふくらはぎやアキレス腱、足底腱(筋)膜が骨端核を強く引っ張ることで、骨端核が分離したり成長軟骨が傷ついてしまい発症します。
一般的には16歳ごろになると成長軟骨が閉鎖し大人の骨になると言われています。中高生以上での発症はほとんどなく、10歳前後のスポーツ活動に盛んな子供、特に足をよく使うスポーツ、サッカーやバスケットボール、ダンス、長距離走などの競技をされているお子さんによく見られます。
歩行も困難なほどの痛みがでることもあり、長期に渡ることもありますが、成長とともに自然に治癒し予後も良好です。希に踵部の血行不良となり骨壊死を引き起こすこともあります。
検査方法
当院では、エコー画像検査器を用いて、骨端核や成長軟骨の状態を可視化し、程度の判別を行います。
エコー検査が優れているところは、被ばく等の危険がなく、大掛かりな装置が必要ないため手軽に受けられ、尚且つ患者さんや親御さんに画像を見ながら説明ができる点です。
一般的な病院での治療方法
①スポーツ活動を中止し安静を図る
②抗炎症を目的とした投薬、湿布
③痛みが強い場合は松葉杖を使い免荷を行う
④足底挿板(インソール)を用いて足底や足関節の負担を軽減する
⑤ストレッチ指導
当院での治療方法
①スポーツ活動を1/2程度に控える。
→完全に中止するのが一番なのですが、そもそもシーバー病になる子供は簡単に中止ができないポジションの子供だったりします。当院では、スポーツ活動の頻度を落としてもらいますが可能な限り続けていける方向で治療を進めていきます。
②痛みが強い場合はハイボルトを用いて消炎鎮痛を行う。
→投薬に比べ身体への負荷が少なく、特に薬の副作用に左右されやすい子供には物理療法の方が最適だと思われます。また、子供だけでなくスポーツ全般的に、アンチドーピングの観点からも、ハイボルト等を使用した物理療法は推奨されております。
③LIPUSを用いて治癒促進を図る。
→骨折の治癒を40%促進させる効果や、軟骨の再生を促す効果も認められており、スポーツ整形外科ではシーバー病治療にも用いられています。副作用や痛みのような刺激もなくもなく非侵襲的な治療法で、10~20分寝ているだけで治療が終わります。
④硬くなった筋や腱をラジオ波を使って弛緩させる。
→ラジオ波による温熱治療にて、速やかに硬くなった腓腹筋や足底筋群を緩めます。ラジオ波の特性により両足で10分程の施術で十分な弛緩が得られます。スポーツ活動を継続しながら治療する場合は必須の治療法となります。
⑤自宅でのストレッチ指導とスポーツ前のテーピング指導を行い、踵部の負担の軽減を図る
→自宅でセルフで容易にできる継続性の高いストレッチは、筋腱の柔軟性の維持とともに怪我に対する意識の向上にも繋がります。また、練習の際にはテーピングを用いることで足関節を安定させ、足底やアキレス腱の負担の軽減を図ります。
治療期間
治癒促進効果のあるLIPUSを使ったとしてもそこまで劇的に治療期間が短縮されるわけではありませんが、それでも何もしないよりは効果を見込めます。子供のスポーツ環境や状態などによりますが、数か月ほどの治療で良くなることが多い様です。
治療例
症例#3
11歳 男性 運動歴:サッカー/週3~4日
今回の患者さんもサッカーの練習後に踵が痛みはじめ整形外科を受診、シーバー病の診断を受けましたが、そこでは特に治療は行われず、スポーツ活動の中止を指導されました。
特に治療がされない事に不安を抱かれた親御さんが同じサッカークラブの方に相談され、当院を紹介して頂き来院となりました。来院時、両踵が痛むとの事でエコーで確認しましたが、右側の骨端核に顕著に特有所見が見られたものの左側ではエコー上は確認できませんでした。しかし、圧痛もしっかりとあり、また疼痛の訴えもありますので、おそらく左側も発症しているものと考えられます。
余談ではありますが、昔、整形外科で働いていた際、指示していた整形外科恩師から言われたことがあります。
「レントゲン等の画像所見と、実際に診た視診・触診所見が食い違った場合は、後者を優先して処置を行いなさい」
レントゲンやエコー画像も完全に描写されないことがあるという事で、やはり判断するのに一番必要なのは、臨床経験だという事です。
話がそれましたが、今回も左側はエコー画像上は問題がないように見えますが、患者さんの訴えや触診などにより、両側シーバー病と判断してよさそうです。
シーバー病は、基本的にはスポーツ活動を中止し、安静にしていれば良くなります。
それでも、少しでも早く治してスポーツ活動を再開したい気持ちをお持ちの患者さんや親御さんには、安静+αの治療が必要となります。
今回もLIPUS治療の通院指導と、週1回のラジオ波治療を行い様子を見ることにしました。痛みはそこまで強くなかった為ハイボルトは初検時とのみ行い、それ以降は行っておりません。
2024/04
3週間後、疼痛が治まってきたため、エコーにて右側の踵を確認いたしました。
分離していた骨端核が元の一つの形に戻りつつあることがエコー画像にて確認できました。ゴールデンウィークを挟んでいたため、通院数も当初の想定より少なかったのですが、しっかりとLIPUSが効いているようです。
まだ圧痛が残っているため、引き続き加療を行っていますが、体育等の参加はできるなら参加しても良いと思われます。
2024/05
症例#2
11歳 男性 運動歴:サッカー/週3~4日
こちらの患者さんも既にスポーツ整形外科にてシーバー病の診断を受けており、治療も受けていましたが、LIPUS治療のみ近所である当院をご希望され、医師の承諾を得て通院となりました。
LIPUS治療は毎日20分の照射が適切となってくるため、病院が遠方である場合、通院が難しくなります。小学生だと一人で行かせる範囲も狭まるため、近隣でLIPUS治療を行える接骨院も視野に入れても良いかもしれません。
運動療法などはスポーツ整形で行っているため、当院では主にLIPUS治療と痛みがある場合はハイボルト治療を行っていきます。腓腹筋や足底腱膜の固さによってはラジオ波を使う予定ですが、本人も早期治療を目指すためスポーツ活動を自粛しているようで、今のところ問題はないようです。
現在、週4ほどで通院しており、もちろん、ハイボルトやLIPUSの利用料は無料、施術料のみ負担(200円)して施療にあたっております。
2024/04
症例#1
10歳 男性 運動歴:バスケットボール/週3~4日
既に整形外科にてシーバー病の診断を受けて治療中でしたが、痛みが強く、整形外科ではハイボルテージ療法がなかったため、ハイボルテージによる鎮痛目的で当院に来院されました。
整形にてシーバー病の診断を受けていましたが、念のため当院でもエコーにて確認いたしました。
整形外科にて適切な治療を継続的に受けられているため、また通院も難しいとの事で、当院ではLIPUSは行わず、消炎鎮痛効果のあるハイボルテージ治療のみとなりました。
整形外科での治療が優先される為、当院では保険施療ではなく自費扱いとなり、初診料1500円と施術料1300円(10分程)がかかり、ハイボルテージ料金は小学生の為無料での施術となりました。
施療後、通院時の痛みが消え、楽に帰られていきました。ハイボルテージでの鎮痛効果は飽くまでも一時的ですが、継続的に行うことで効果が長続きすることがあります。
2023/08
ベーカー嚢腫~急な膝裏の痛みを感じたら~
今回はベーカー嚢腫の患者さんです。
ベーカー嚢腫の症例報告は2例目ですが、今回は痛みを強く伴うものでした。
★高齢者や50代以上の女性の方に多い★
今回は70代、女性の方で、先週初めごろから急に痛み始めたとの事。「急に」と仰っていましたが、話を聞いていくと前日に高尾山に行って1万歩以上歩いたとの事・・・。水泳に通ったりと非常に元気な方です。
痛みが強く整形外科を受診するも、レントゲン撮影後、変形性膝関節症の診断。
湿布を出されて様子見で、変形も強いため手術も勧められたとの事。
それでもなかなか痛みも引かず、普段は普通に歩けていることから手術に対しても前向きではないため、当院へ受診となりました。
★エコーで強めの変形性膝関節症を確認しましたが…
左:変形性膝関節症 右:ベーカー嚢腫像
まずはエコーで診てみると変形は確かに強いです。ここまで強いと人工関節置換術を進める医師の判断も理解できます。
ですが、これだけ変形はあっても、ご本人は普段はほとんど生活に困っていないとの事。確かに、高尾山を歩けるぐらい元気なお膝なのです。
また最近の研究で変形膝関節症と痛みは必ずしも一致しないことがわかってきました。痛みの原因は、お膝の変形そのものではなく、他に原因があるのです。
画像検査で変形が強いと言われても、必ずしも人工関節の適応とは言い切れないかもしません。
★ベーカー嚢腫による痛み
患者さんは、膝の裏側に痛みや違和感があると訴えています。動き始めが痛かったり、膝を伸ばすと痛む。
もちろん、エコーで膝裏も確認。すると、やはりありました。ベーカー嚢腫。まだまだ小さめですが、これがすこし悪さをしているのかもしれません。
ベーカー嚢腫は、レントゲンではわからず、触診だったりエコー検査、MRI検査で判明することがあります。
★ベーカー嚢腫の治療法
手術療法もありますが、ほとんどは保存療法が一般的となっています。
病院においては、嚢胞に注射を打ち液体を吸引することもありますが、再発することも少なくなく、根本的な改善が求められます。
★よねくら接骨院での治療
当院は接骨院ですので関節への注射や薬物療法などは行えません。物理療法を用いて治療にあたります。
①LIPUS
低出力超音波パルス療法でお膝の軟骨の再生を促したり、軟骨破壊を抑制させます。
②ハイボルト
ハイボルテージ電気療法にてお膝の関節にたまったお水の再吸収を促し、炎症を抑えます。
③EMS
EMSで大腿四頭筋を動かし筋ポンプ作用にてお膝のお水の再吸収を助けます。
④運動療法
お膝周囲や骨盤部、下肢の筋へアプローチし、膝関節の可動域改善をめざします。
ベーカー嚢腫はお膝のお水が後方に溜まってしまった病態なので、まずはお水を縮小させることが必要です。そして、お水を溜めてしまう変形性膝関節へのアプローチも必要です。
痛み自体は、すぐに軽減されますが、根本的なものとなると長い目で見なければなりません。
当院では、だいたい1ヵ月から3ヵ月の間で、エコー検査で評価を行いながら治療を行っていきます。
変形性膝関節症治療計画の一例
ハムストリングス肉離れ~スポーツ少年に多いけど、中年代でもよく起こる~
本日は春分の日、祝日なのでよねくら接骨院はお休みなのですが・・・
「足が攣ったようで痛むので診てほしい」
との連絡がありましたので、院を開けて診させて頂きました。
今回の患者さんは、わざわざ府中市から来院されました。
エコーでで見るとしっかりとハムストリングスに血腫発見。見事な?!肉離れです。程度でいうと2度損傷。しっかりとした治療が必要です。
とりあえず本日は、テーピングと包帯で固定、が普通ですが、よねくら接骨院は早期治癒を目指しますので、基本の固定術+ハイボルトによる鎮痛抗炎症+LIPUSとマイクロカレントで創傷治癒促進を初日から行います。また、筋の硬直も見られたので、非熱モードでラジオ波を当てました。
当院は
「エコーによる確認+整形基準の固定+鎮痛治癒促進の物療」
普通の接骨院/整骨院とは少し違う処置が行えます。
怪我から少しでも早く回復してもらうことが、私のモットーです。
⭐️休日でも応急手当てします!⭐️
LINEやお電話、インスタメッセージでも大丈夫ですので
怪我や急な痛みでお困りの方はご連絡ください。応対できる事あります!
中指指節骨骨折~応急処置から整形外科対診、リハビリまで
緊急来院にて応急処置、整形外科紹介へ
今日は朝から指の骨折患者さんが緊急来院。他の方の予約がありましたが、なんとか時間を空けて対応させてただきました。
転んで手をついたときに指がグイーンと反り曲がってしまったようです。転倒直後は指が短くなっていたらしく、ご本人は慌てて指を引っ張ったようです。
もしかしたら脱臼も起こされていたのかもしれませんね。
2~4指の腫れがひどく、皮下出血も著明。PIP関節掌側部に限局性の圧痛も確認できました。これだけ皮下出血しているとやはり骨折を疑います。
もちろんエコーで確認したところ、骨の不整像も確認。
応急処置を施し、近隣医師へ紹介させていただきました。ご本人は当院での加療をご希望されていますので、医師にもそう伝えてあります。
固定は、手指の骨折にしてはかなり大袈裟ですが、受傷部位が複数個所であることやPIP部以外でも損傷がある可能性はあります。応急処置はオーバーぐらいで丁度よいと、整形勤務時に恩師から教わりました。
プライマリーの処置は最悪を想定した固定を施し、あらためて整形外科で検査後、固定の大小を判断すればよいと思います。
他の予約をされていた患者さんにはお待たせしてしまい大変ご迷惑をお掛けいたしました。みなさま笑って寛大に対処して頂き誠にありがとうございました。
その後、リハビリを希望され来院
その後、3週間経過して、リハビリを希望され来院されました。
紹介先の整形外科にてギプス固定後、二週間で除去。骨に関しては予後も良好でしたが、どうしても動きが悪いことと、朝起きたときの手のこわばりが気になってしまうとのことで、当院にリハビリ希望で来院されました。
患者さんは整形外科の先生からリハビリの了承を得てなかったようでしたので、すぐに私から医師先生に電話して、当院でのリハビリの同意を得ることができました。先生ありがとうございます!
手指骨折後のリハビリは案外難しく、固定するとすぐに腱や靱帯の癒着が進み関節拘縮が取れなくなってしまうこともあります。今回は固定期間2週間でしたが、たったそれだけでも指の完全伸展と完全屈曲が不能でした。
私は、整形外科で7年間お世話になり、たくさんの骨折後リハビリ患者さんと向き合ってきましたが、固まった関節を無理に動かそうとして必要以上に痛みを与える事はよくないと考えています。痛みの感覚が残ってしまうとその後のリハビリに影響するからです。
痛みを感じにくくさせ、尚且つ関節可動域拡大を図るには、温めることが良いのですが、ホットパックや遠赤外線では時間がかかるしそもそも深部までは届かない。比較的深部まで届く超音波やレーザーでは局所的すぎて関節可動域訓練には非現実的・・・
そこで!ラジオ波です。
このラジオ波は、熱を集めたいところに広範囲に集めることができ、しかも素早く深部まで温まる・・・骨折後リハビリ打ってつけです。私も随分とラジオ波に助けられております。
たぶん、ラジオ波を使った骨折後リハビリを行っている接骨院は、いや整形などの医療機関も含めて、なかなかないのではないでしょうか?
施術費用の方ですが、骨折リハビリでは、医師から当院でのリハビリの了承が得られましたら、保険負担金のみで可能(ラジオ波の自費負担なし)です。※ラジオ波5分まで
骨折後リハビリでお困りでしたら、当院にご連絡ください。