症例報告(2/21UP)
ふくらはぎの肉離れ~60代女性~
腓腹筋肉離れ(クラシックバレエ)|症例報告
60代・女性。クラシックバレエ練習中につま先立ちでふくらはぎに痛み。
翌日も痛みが引かず、週末イベントに向けて早期回復を希望して来院されました。
初期評価と鑑別
- 受傷時のPOP音なし
- 腓腹筋内側頭に限局した圧痛
- トンプソンテスト陰性(アキレス腱断裂は否定的)
- 腓腹筋部の陥凹なし → 中〜軽度の肉離れが示唆
参考:アキレス腱断裂の代表的評価(トンプソンテスト)
超音波(エコー)での状態把握


初期対応(RICE)
肉離れ初期はRICEが基本です。
Rest(安静)/Icing(冷却)/Compression(圧迫)/Elevation(挙上)
圧迫は「弾性包帯」で
当院では軽度の肉離れに包帯圧迫を採用。
入浴後など患者さま自身で巻き直しやすいよう、綿包帯ではなく弾性包帯を基本とし、巻き方も指導します。
※最近は、ダイヤ工業のフリーサポーターを利用することが、多くなりました(R7/10/9追記)

テーピングは使わない方針
テーピングは応急・予防には有用ですが、固定力や皮膚トラブルの観点から、
外傷初期の固定には包帯(必要に応じてシーネ)を優先します。サポーターは補助用途として捉えます。
施術方針
① ハイボルト(急性期メイン)
疼痛抑制・循環サポート・浮腫軽減を目的にハイボルトを実施。急性外傷向けのアプローチです。
② ラジオ波(温熱アプローチ)
拘縮予防と早期の機能回復を目指し、早期段階からラジオ波をリハビリに組み込みます。
出力はエコー経過を見ながら段階的に調整し、血腫拡大の兆候があれば即中止します。
「患者さんの不利益にならないこと」を最優先。
早期復帰を目指す場合でも、画像(エコー)で適宜確認しながら進めます。
経過
受傷4日目からラジオ波を含むリハビリを開始(イベントに向けた目標設定)。
適宜エコーで確認し、拡大所見があれば直ちに休止する条件で進行。

動作時痛はほぼ消失し、週末イベントに無事参加。
本格的なダンス復帰は段階を踏むため、受傷2週で週1通院+自宅トレへ移行しました。
まとめ
- 腓腹筋肉離れは初期のRICEと適切な圧迫が要。弾性包帯の再現性が有効。
- 急性期はハイボルトで痛みと炎症のコントロール。
- 早期復帰を狙うなら、エコー監視下でのラジオ波リハビリが有用。
- 目標(イベント等)を共有しつつ、リスク管理を徹底。
※本ページは柔道整復師による症例・対応の紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
症状によっては医療機関での精査・処置が必要な場合があります。
足首の疲労骨折~ジョギング中の突然の痛み~
脛骨内果部の疲労骨折(ランナーの足首内側痛)|症例紹介
40代女性ランナー。5月から走り始め、週3回・5〜10kmのランとトレイル/大会参加を継続。
ラン後から左足首の違和感→夜に腫脹、その後は歩行でも痛みが出現し来院されました。

初期評価(問診・視診・触察)
- 内果直上の腫脹を確認
- 限局した強い圧痛(ピンポイント)
- ラン後に悪化、安静でも違和感が残存
臨床像から脛骨内果部の疲労骨折を強く示唆。
超音波(エコー)による状態把握
初期の疲労骨折ではレントゲンに変化が出にくく、骨膜反応の描出が手掛かりになります。
当院では画像の意味を健側比較で説明し、納得感のある方針決定を大切にしています。
医療連携(MRI評価の推奨)
骨折が疑われる場合は医師の評価が前提です。
当院では、専門医・MRI完備の医療機関へ紹介し、今回も疲労骨折の見立てが確認され、
当院での保存的アプローチ(医師の同意のもと)を進める方針となりました。

疲労骨折とは?(ランナーに多い理由)
小さな負荷の反復で骨に微細な損傷が蓄積し起こる骨折です。
初期は走れてしまうことが多く、無理を重ねると完全な骨折へ進展するリスクがあります。
走行距離・路面・シューズ・フォーム・体調(栄養/睡眠)など、負荷管理の不均衡が背景にあることが少なくありません。
当院の対応方針
① 超音波骨折療法(LIPUS)
医師の同意のもと、LIPUSを用いて骨癒合の進行をサポート。
臨床的には骨癒合が早まる可能性が示されており、安静のみよりも早期の段階的復帰を後押しできます。
② 負荷コントロールと痛み管理
- 痛みが出る走行は一時中止(ウォーキング可否は症状に応じ判断)
- 日常は疼痛基準で活動(階段・長時間立位の調整)
- 必要に応じてハイボルトで疼痛軽減をサポート
③ 再発予防の運動・用具チェック
- ふくらはぎ・後脛骨筋・足部内在筋の機能づくり(痛みの出ない範囲)
- シューズの摩耗・反発・サイズの見直し、インソールの検討
- 路面・高下駄負荷(登り下り・段差)の段階的再開
比較的早期の段階で把握できたため、段階的復帰が見込めます。
LIPUSと負荷調整を併用し、痛みゼロ→ジョグ→ビルドアップの順で進めます。
よくあるご質問(Q&A)
Q. どのくらいで走れますか?
個人差があります。目安は「日常痛ゼロ→片脚ジャンプで無痛→ジョグ再開」の順で判断します。
Q. LIPUSは毎日必要?
基本は毎日20分を推奨(自宅運用/通院併用を個別提案)。高校生以下は当院で無料対応(医師同意・保険分別)。
Q. テーピングや固定は?
強い痛み・腫脹時は短期固定を検討しますが、過度な固定は筋機能の低下を招くため最小限に留めます。
セルフケアの要点
- 痛みが出ない範囲で足関節の可動性を維持
- ふくらはぎの軽いストレッチとフットケア(足底の過緊張を解く)
- たんぱく質・カルシウム・ビタミンD/Kなど栄養バランスを意識
- 睡眠・体重コントロールなど、回復環境の整備
使用機器

※本ページは柔道整復師による症例紹介・保存的対応の方針であり、診断や治癒を保証するものではありません。
症状により医療機関での精査(MRI等)・処置が必要になる場合があります。
急性腰痛(ぎっくり腰)
ぎっくり腰(急性腰痛)|よねくら接骨院の考え方
「ぎっくり腰=腰を痛めた瞬間」ではなく、その背景にある関節や筋肉の働きの乱れに注目することが大切です。
ここでは、院長・米倉による急性腰痛への考え方をご紹介します。
非特異的腰痛と特異的腰痛
「ぎっくり腰で病院に行ったけれど、レントゲンでは異常なし。
シップと痛み止め、あとは安静を指示された」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際、ぎっくり腰の多くは非特異的腰痛と呼ばれ、画像検査で明確な異常が認められないタイプです。
一方で、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など画像で確認できるものは特異的腰痛とされます。
仙腸関節障害タイプのぎっくり腰
よねくら接骨院で経験上多く見られるのが、仙腸関節障害によるタイプ。
特に中腰姿勢からの立ち上がりや、長時間同じ姿勢が続いた後の動作で「グキッ」となるケースが多いです。

仙腸関節は「不動関節」ではない
教科書上は「ほとんど動かない関節」とされていますが、実際には歩行時などに数ミリ程度の動きがあることが分かっています。
そのわずかなズレが適正範囲を超えると、鋭い痛みとして現れます。
出産時にも仙腸関節は一時的に大きく動くため、産後腰痛の原因にもなります。
ズレを整え、関節まわりの緊張をゆるめることで、痛みの軽減が期待できます。
当院での対応
- ラジオ波で仙腸関節まわりの筋・靭帯の緊張を緩める(数分間)
- トムソンベッドによる仙腸関節の調整(短時間で実施)
- ハイボルトで発痛物質の除去と鎮痛をサポート(約10分)


炎症や痛みの軽減は体の自然な治癒反応に依存します。
多くの場合、数週間での回復が期待されます。
コルセットは必要?
当院では、基本的にコルセット固定は推奨していません。
一時的な安定は得られますが、筋活動や血流を妨げ、回復を遅らせる恐れがあるためです。
近年では、安静よりも日常生活レベルで動かすことが早期回復につながるとされています。
まとめ
腰痛には多くのタイプがあり、まずは「特異的」か「非特異的」かを見極めることが重要です。
その上で、関節・筋肉どちらが主な要因かを判断し、適切なアプローチを選択します。
ぎっくり腰でお困りの際は、安静だけでなく、筋肉・関節を整える施術を受けることで
より早く日常生活へ戻れるケースも多く見られます。お気軽にご相談ください。
※本ページは柔道整復師による見解・施術例の紹介であり、医師の診断や治療を代替するものではありません。
強い痛みや下肢のしびれなどを伴う場合は、医療機関への受診をお勧めいたします。
膝裏のふくらみ~ベーカー嚢腫~
ベーカー嚢腫(膝のうらのふくらみ)|症例紹介
中年以降の女性に多くみられる膝のうらのふくらみ。
「押すとぷにっとする」「曲げ伸ばしで突っ張る」——それはベーカー嚢腫かもしれません。
ベーカー嚢腫とは?
膝裏の滑液包(関節のクッション)が、膝関節の炎症や関節液の増加に伴ってふくらんだ状態を指します。
変形性膝関節症・関節リウマチ・痛風・運動量の多い方などで、関節液が過剰に分泌されると、関節包から滑液包へと溢れ、袋状に貯留して膨隆が生じます。
その背景から、中年以降の女性にみられることが多い傾向があります。
今回のケース
当院へ来られる前は、医療機関でヒアルロン酸注入を継続。痛みは一時軽減したものの、
その後も継続するにつれ効果を感じにくくなり、当院での保存的なケアへ切り替え。
およそ2か月で日常の痛みは落ち着き、注入は継続せず様子を見る方針に。
今回、1か月ぶりに「膝のうらのふくらみが気になる」と再来。
触察では、膝窩部内側〜腓腹筋内側頭の起始部付近にかけて膨隆を確認しました。
超音波(エコー)での状態把握

触れた膨らみに沿ってエコー観察すると、境界が明瞭な低エコー像を描写。
ベーカー嚢腫に合致する所見で、サイズや周囲との関係を把握できました。
ベーカー嚢腫は多くが良性ですが、リウマチ性変化や腫瘍性病変など、まれに別の原因が隠れていることも。
エコーでの所見を参考にしつつ、必要時は医療機関での評価をおすすめします。
起こりうる不都合と当院の方針
- 嚢腫が大きくなると、膝の曲げ伸ばしがつっぱる・だるい等の違和感
- まれに破裂してふくらはぎ側に痛みや腫れが広がることがある
- 周囲の血管・神経を圧迫して不快感が出ることも
当院では、膝関節まわりの炎症を落ち着かせる保存的アプローチ(ラジオ波による深部温熱・手技・運動の工夫 など)を中心に、
日常生活の負担軽減を目指します。状況により、医療機関での穿刺吸引や手術が選択肢になる場合もありますが、
まずは保存的対応を優先することが一般的です。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 放っておいても大丈夫?
小さく症状が軽い場合は経過観察になることもあります。
ただしサイズ増大/痛み/動かしづらさが強い場合は、早めのご相談を。
Q. 運動はしてもよい?
炎症が強い時期は負担の高い動作を控えるのがおすすめ。
痛みが落ち着いたら大腿四頭筋の軽いエクササイズなど、負担の少ない範囲から再開します。
まとめ
ベーカー嚢腫は膝関節の負担サインの一つ。
よねくら接骨院では、エコーでの状態把握と保存的ケアを組み合わせ、
日常生活の違和感を減らすお手伝いをしています。気になるふくらみは、どうぞお気軽にご相談ください。
※本ページは柔道整復師による症例・対応の紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
状況により、医療機関での精査や処置が必要な場合があります。
膝の打撲~打撲をエコーで見てみると?~
膝の打撲(筋挫滅傷)|症例紹介
今回は院長・米倉自身の症例です。ボルダリング中の膝の打撲による筋挫滅傷。
スポーツ中の受傷から、自ら行った初期処置と経過観察をまとめました。
受傷の状況
- 患者:44歳男性(稲城市在住)
- 趣味:ボルダリング・登山・キャンプ
- 受傷機転:ボルダリング中、スタートでミスしホールドに膝を強打

エコーでの確認

打撲により筋線維の一部が損傷し、出血と腫脹が見られました。
強い打力が加わると、皮下組織だけでなく筋内まで損傷が及ぶことがあります。
受傷直後の対応
出血を伴っていたため、まず水道水で洗浄し汚れを除去。
その後、軟膏を塗布したガーゼを当て、テーピングで軽圧迫固定を実施しました。
水道水による洗浄は十分な殺菌効果があり、消毒液よりも刺激が少なく
組織へのダメージを軽減できます(特に擦過傷では有効)。
経過と今後の観察
筋挫傷は一般的に1週間ほどで回復が期待されます。
1週間後に再度エコーで血腫の吸収と筋線維の再生状態を確認予定です。
スポーツ愛好家の皆さまへ
ボルダリングや登山など、膝を使うスポーツでは衝撃吸収動作が多く、打撲による筋損傷が起こりやすい傾向にあります。
もし受傷してしまった場合は、早期の洗浄・冷却・圧迫で悪化を防ぎましょう。
※本記事は柔道整復師による症例紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
症状に応じて医療機関での精査が必要な場合があります。




