症例報告(9/12UP)
急性腰痛(ぎっくり腰)
ぎっくり腰(急性腰痛)|よねくら接骨院の考え方
「ぎっくり腰=腰を痛めた瞬間」ではなく、その背景にある関節や筋肉の働きの乱れに注目することが大切です。
ここでは、院長・米倉による急性腰痛への考え方をご紹介します。
非特異的腰痛と特異的腰痛
「ぎっくり腰で病院に行ったけれど、レントゲンでは異常なし。
シップと痛み止め、あとは安静を指示された」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実際、ぎっくり腰の多くは非特異的腰痛と呼ばれ、画像検査で明確な異常が認められないタイプです。
一方で、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など画像で確認できるものは特異的腰痛とされます。
仙腸関節障害タイプのぎっくり腰
よねくら接骨院で経験上多く見られるのが、仙腸関節障害によるタイプ。
特に中腰姿勢からの立ち上がりや、長時間同じ姿勢が続いた後の動作で「グキッ」となるケースが多いです。

仙腸関節は「不動関節」ではない
教科書上は「ほとんど動かない関節」とされていますが、実際には歩行時などに数ミリ程度の動きがあることが分かっています。
そのわずかなズレが適正範囲を超えると、鋭い痛みとして現れます。
出産時にも仙腸関節は一時的に大きく動くため、産後腰痛の原因にもなります。
ズレを整え、関節まわりの緊張をゆるめることで、痛みの軽減が期待できます。
当院での対応
- ラジオ波で仙腸関節まわりの筋・靭帯の緊張を緩める(数分間)
- トムソンベッドによる仙腸関節の調整(短時間で実施)
- ハイボルトで発痛物質の除去と鎮痛をサポート(約10分)


炎症や痛みの軽減は体の自然な治癒反応に依存します。
多くの場合、数週間での回復が期待されます。
コルセットは必要?
当院では、基本的にコルセット固定は推奨していません。
一時的な安定は得られますが、筋活動や血流を妨げ、回復を遅らせる恐れがあるためです。
近年では、安静よりも日常生活レベルで動かすことが早期回復につながるとされています。
まとめ
腰痛には多くのタイプがあり、まずは「特異的」か「非特異的」かを見極めることが重要です。
その上で、関節・筋肉どちらが主な要因かを判断し、適切なアプローチを選択します。
ぎっくり腰でお困りの際は、安静だけでなく、筋肉・関節を整える施術を受けることで
より早く日常生活へ戻れるケースも多く見られます。お気軽にご相談ください。
※本ページは柔道整復師による見解・施術例の紹介であり、医師の診断や治療を代替するものではありません。
強い痛みや下肢のしびれなどを伴う場合は、医療機関への受診をお勧めいたします。
膝裏のふくらみ~ベーカー嚢腫~
ベーカー嚢腫(膝のうらのふくらみ)|症例紹介
中年以降の女性に多くみられる膝のうらのふくらみ。
「押すとぷにっとする」「曲げ伸ばしで突っ張る」——それはベーカー嚢腫かもしれません。
ベーカー嚢腫とは?
膝裏の滑液包(関節のクッション)が、膝関節の炎症や関節液の増加に伴ってふくらんだ状態を指します。
変形性膝関節症・関節リウマチ・痛風・運動量の多い方などで、関節液が過剰に分泌されると、関節包から滑液包へと溢れ、袋状に貯留して膨隆が生じます。
その背景から、中年以降の女性にみられることが多い傾向があります。
今回のケース
当院へ来られる前は、医療機関でヒアルロン酸注入を継続。痛みは一時軽減したものの、
その後も継続するにつれ効果を感じにくくなり、当院での保存的なケアへ切り替え。
およそ2か月で日常の痛みは落ち着き、注入は継続せず様子を見る方針に。
今回、1か月ぶりに「膝のうらのふくらみが気になる」と再来。
触察では、膝窩部内側〜腓腹筋内側頭の起始部付近にかけて膨隆を確認しました。
超音波(エコー)での状態把握

触れた膨らみに沿ってエコー観察すると、境界が明瞭な低エコー像を描写。
ベーカー嚢腫に合致する所見で、サイズや周囲との関係を把握できました。
ベーカー嚢腫は多くが良性ですが、リウマチ性変化や腫瘍性病変など、まれに別の原因が隠れていることも。
エコーでの所見を参考にしつつ、必要時は医療機関での評価をおすすめします。
起こりうる不都合と当院の方針
- 嚢腫が大きくなると、膝の曲げ伸ばしがつっぱる・だるい等の違和感
- まれに破裂してふくらはぎ側に痛みや腫れが広がることがある
- 周囲の血管・神経を圧迫して不快感が出ることも
当院では、膝関節まわりの炎症を落ち着かせる保存的アプローチ(ラジオ波による深部温熱・手技・運動の工夫 など)を中心に、
日常生活の負担軽減を目指します。状況により、医療機関での穿刺吸引や手術が選択肢になる場合もありますが、
まずは保存的対応を優先することが一般的です。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 放っておいても大丈夫?
小さく症状が軽い場合は経過観察になることもあります。
ただしサイズ増大/痛み/動かしづらさが強い場合は、早めのご相談を。
Q. 運動はしてもよい?
炎症が強い時期は負担の高い動作を控えるのがおすすめ。
痛みが落ち着いたら大腿四頭筋の軽いエクササイズなど、負担の少ない範囲から再開します。
まとめ
ベーカー嚢腫は膝関節の負担サインの一つ。
よねくら接骨院では、エコーでの状態把握と保存的ケアを組み合わせ、
日常生活の違和感を減らすお手伝いをしています。気になるふくらみは、どうぞお気軽にご相談ください。
※本ページは柔道整復師による症例・対応の紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
状況により、医療機関での精査や処置が必要な場合があります。
膝の打撲~打撲をエコーで見てみると?~
膝の打撲(筋挫滅傷)|症例紹介
今回は院長・米倉自身の症例です。ボルダリング中の膝の打撲による筋挫滅傷。
スポーツ中の受傷から、自ら行った初期処置と経過観察をまとめました。
受傷の状況
- 患者:44歳男性(稲城市在住)
- 趣味:ボルダリング・登山・キャンプ
- 受傷機転:ボルダリング中、スタートでミスしホールドに膝を強打

エコーでの確認

打撲により筋線維の一部が損傷し、出血と腫脹が見られました。
強い打力が加わると、皮下組織だけでなく筋内まで損傷が及ぶことがあります。
受傷直後の対応
出血を伴っていたため、まず水道水で洗浄し汚れを除去。
その後、軟膏を塗布したガーゼを当て、テーピングで軽圧迫固定を実施しました。
水道水による洗浄は十分な殺菌効果があり、消毒液よりも刺激が少なく
組織へのダメージを軽減できます(特に擦過傷では有効)。
経過と今後の観察
筋挫傷は一般的に1週間ほどで回復が期待されます。
1週間後に再度エコーで血腫の吸収と筋線維の再生状態を確認予定です。
スポーツ愛好家の皆さまへ
ボルダリングや登山など、膝を使うスポーツでは衝撃吸収動作が多く、打撲による筋損傷が起こりやすい傾向にあります。
もし受傷してしまった場合は、早期の洗浄・冷却・圧迫で悪化を防ぎましょう。
※本記事は柔道整復師による症例紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
症状に応じて医療機関での精査が必要な場合があります。
腱鞘炎(ばね指/弾発指)
ばね指(腱鞘炎)|症例紹介
指の曲げ伸ばしで引っかかる/カクンと弾ける感じ——いわゆるばね指のご相談です。
早期のケアで、家事やお仕事の不便を減らすことを目指します。
ばね指とは?
指を曲げる屈筋腱が通るトンネル状の腱鞘が、何らかの理由で肥厚し、腱を締め付けて動きが悪くなる状態です。
しだいに腱自体も太くなり、腱鞘を通り抜けにくくなると、曲げ伸ばしの途中でひっかかり→弾ける感覚(ばね現象)が起こります。

原因はオーバーユース(使い過ぎ)が一般的ですが、出産前後・更年期の女性に多いことから、
ホルモン変化との関連も指摘されています。糖尿病の方にも生じやすい傾向があります。
今回のケース(50代・女性)
- 既往なし。最近になって突然痛みが出現
- バネ様の弾発はまだ出ていない
- 指先をよく使う仕事で痛みが増悪。朝のこわばり/痛みもあり
触察で中指MP関節部に圧痛と硬結を認め、腱の肥厚が疑われました。
超音波(エコー)での状態確認
腱鞘炎は超音波での描出が得意な領域です。
健側と患側を比較し、腱の断面厚で肥大化を確認します(レントゲンでは写りません)。

今回も腱の肥厚が明瞭で、腱鞘炎に合致する所見でした。
当院の対応(施術の考え方)
① ラジオ波(深部温熱)
局所の循環を促し、腱・腱鞘周囲の柔軟性を高めることを目指します。
② ハイボルト(高電圧刺激)
消炎・鎮痛のサポートとして使用。痛みの軽減と動かしやすさの向上を狙います。
③ 手技(前腕〜手指)
前腕から手指にかけての筋膜・筋の張りを調整し、腱鞘部への負担を下げるアプローチを組み合わせます。
※医療機関では注射(ステロイドなど)が選択肢になることがあります。効果を感じる方も多い一方、
痛みが強い・再発しやすい・一時的である等の側面もあるため、状況に応じて医療機関と役割分担します。
固定(シーネ)の可否と通院頻度
安静目的のシーネ固定は状況により選びますが、固定は生活の妨げや拘縮リスクもあるため、
炎症の程度/仕事・家事の状況/通院頻度を総合して判断します。
今回はバネ症状なし・固定が難しい環境・週2〜3回の通院が可能なため、固定なしで進めました。
経過
初日から週2回の通院で、ラジオ波+ハイボルト+手技(合計約15分)を実施。
3週目に患者さまより「痛みがほとんどなくなった」とのコメント。

朝の痛み・重い荷物での痛みが解消。日常動作がスムーズに。
ただし、完全に硬結が消えたわけではなく、再発の可能性は残ります。
しばらくはフォロー通院とセルフケアの併用をご提案しました。
セルフケアのヒント
- 朝は温めてから軽い動かし(無理に強く握らない)
- 作業はこまめに休憩、握りっぱなしを避ける
- 前腕のストレッチと、負担が強い日は短時間の保冷で炎症管理
費用の目安
ばね指は局所(部分)扱いのため、ラジオ波は+1,000円(1回)での追加となります。
ハイボルトは無料でご利用いただけます(別途、基本施術料がかかります)。
週2回程度を前提にした回数券もご用意しています。
まとめ
ばね指(腱鞘炎)は、腱と腱鞘の滑走性を高め、炎症を落ち着かせることが改善への近道です。
よねくら接骨院では、ラジオ波・ハイボルト・手技を組み合わせ、日常と両立できる現実的なプランをご提案します。
※本ページは柔道整復師による症例紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
状態により、医療機関での評価・処置が必要となる場合があります。
ふくらはぎの肉離れ
腓腹筋肉離れ(ふくらはぎの肉ばなれ)|症例紹介
一週間前に階段を踏み外した際、右ふくらはぎに痛みを感じた患者さま。
整形外科で「腓腹筋肉離れ」と言われましたが、固定やリハビリはなく、早期復帰を希望され当院を受診されました。
来院時の状態
- 歩行時痛が強く、ふくらはぎに圧痛・硬結あり
- 整形外科でのレントゲン・エコー確認済み
- 安静指示のみで経過観察中
当院での超音波観察

受傷から約1週間経過しており、出血は止まっているものの、血腫が液状として残存していました。
このまま放置すると、筋硬結(瘢痕化)が残るリスクがあるため、低出力ラジオ波(非加熱モード)での対応を開始しました。
施術方針
① ラジオ波(非加熱モード)
血腫部の循環を促しながら、筋の硬結解除と血腫の吸収促進を目的に使用。過度な温熱を避け、深部の自然代謝を促します。
② マイクロカレント
極微弱電流を用いて、損傷組織の修復サポートを行いました。痛みを感じない穏やかな刺激です。
③ EMS(筋力サポート)
安静期間中の筋力低下を防ぐ目的でEMSを併用。腓腹筋やヒラメ筋の活動維持を図ります。
④ 固定は行わず
受傷から一定期間が経過し、歩行時痛も軽減傾向にあったため、拘縮防止と早期復帰を優先し、テーピング固定は行いませんでした。
2週間後の経過

- 血腫の吸収が進行、筋線維の整列も回復傾向
- 歩行時痛の改善、階段動作も可能に
- ラジオ波の出力を調整し、筋柔軟性の回復を促進
現段階ではまだ完全回復ではありませんが、痛みの軽減と機能回復は順調です。
今後もマイクロカレントとラジオ波を併用し、再発防止と柔軟性維持を続けていきます。
「痛みがずいぶん楽になって、階段の上り下りもできるようになりました!」
社会復帰に向けて前向きなご様子です。
当院の考え方
肉離れは「安静のみ」では筋萎縮や再発リスクを高めることがあります。
よねくら接骨院では、段階的な温熱・電気刺激・運動刺激を組み合わせ、
痛みを抑えながら機能回復をサポートする施術を行っています。
※本ページは柔道整復師による症例紹介であり、診断・治癒を保証するものではありません。
状態により医療機関での精査・対応が必要となる場合があります。
