症例報告(9/12UP)
内側側副靭帯損傷~膝関節~少年サッカー試合中の負傷
膝関節内側側副靱帯(MCL)損傷
スポーツ中の膝への外力によって内側の靱帯が損傷。
正確な評価と、初期の適切な保存療法で早期回復を目指します。

症例紹介:サッカー中の膝のケガ(小学生・男子)
10月中旬、サッカーの試合中に負傷された小学生の男の子が来院されました。
シュート後に相手選手と交錯し、右膝から倒れ込む形に。
直後は歩けたものの、徐々に膝の内側に痛みと不安定感を感じるとのことでした。
初期評価と所見
- 問診:「受傷直後に立てたか?」→ 立ち上がりは可能
- 視診・触診:腫れは軽度、熱感や皮下出血は見られず
- 徒手検査:外反ストレステスト+、前方引き出しテスト±(左右差なし)、マックマレー-
- 超音波エコー検査:MCL部の靱帯繊維に不整と肥厚を確認、関節包内に微量の関節水腫あり

ACLや半月板には損傷所見はなく、内側側副靱帯の軽度〜中等度損傷と判断されました。 念のため整形外科をご紹介し、MRIでもMCLの単独損傷との診断を確認できたため、当院で保存療法を継続することとなりました。
内側側副靱帯(MCL)損傷とは?
MCLは膝の内側を安定させる重要な靱帯です。
外側からの衝撃や、足が固定された状態で膝が内側にねじれたときに損傷することが多く、特にスポーツ時に発生しやすいケガのひとつです。
また、前十字靱帯(ACL)や内側半月板と同時に損傷する場合、「アンハッピー・トライアド(三徴候)」と呼ばれ、より重篤な損傷に発展することもあります。 今回のケースは、幸いMCL単独の損傷で済んでいました。

施術内容とリハビリプラン
- ハイボルト療法(初期の鎮痛)
受傷直後の炎症と痛みを和らげるため、ハイボルトを使用しました。深部まで到達する電気刺激で、短時間でも高い鎮痛効果が期待できます。 - LIPUS(低出力パルス超音波)
靱帯や軟部組織の再生を促す微細振動刺激。炎症を抑え、靱帯修復のサポートを行います(実施には医師の同意が必要)。 - マイクロカレント療法
身体にほとんど感じないほどの微弱電流を流し、生体電流に近い刺激で自然治癒力を高めます。LIPUSと併用して相乗効果を狙いました。 - 圧迫固定・サポーター装着
膝の不安定感を防ぐため、初期は軽度の圧迫固定を行い、歩行時はサポーターで保護しました。
通院・経過の流れ
- 通院頻度:週2回 → 痛み軽減により週1回へ移行
- 1週間後:階段昇降時の痛みが軽減
- 2週間後:膝の不安定感が減少し、日常生活に支障なし
- 3週間後:軽いランニング再開、再評価中
スポーツ復帰は段階的に評価しながら、今後もフォローを継続していきます。
よくある質問
Q. MCL損傷は手術が必要ですか?
A. 損傷の程度によりますが、多くは保存療法で改善が見込まれます。早期発見・対応が重要です。
Q. サッカーなどのスポーツ復帰はいつ頃?
A. 軽度であれば3〜4週間、重度の場合は2〜3ヶ月以上を要することもあります。状態に応じて段階的な復帰指導を行います。
医療機関での精査が必要と判断される場合は、適切にご案内いたします。
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