症例報告(9/12UP)

2023-08-23 10:08:00

距骨裂離骨折~突然の怪我、応急手当で予後が変わる~

転倒直後の足関節外傷|エコー所見と応急対応の実例

店舗前の歩道で転倒された患者さまが、担がれるように来院
予約時間帯でしたが、超音波(エコー)での状態確認〜固定〜松葉杖指導まで緊急対応しました。

ひとこと:対応中、予約患者さまにはお待ちいただきましたが、皆さま快くご理解くださいました。
ご協力に心より感謝申し上げます。

来院時の状況

  • 歩行時痛が強く、自力歩行は困難
  • 受傷直後で腫脹はまだ軽度
  • 靭帯部(ATF相当)への圧痛は目立たず

超音波での状態確認(エコー)

捻挫か骨折かの見極めが難しいケースのため、骨折の可能性も視野に入れてエコーで状態を確認しました。

エコー画像 (6).png
距骨部に骨の不整像を示唆する所見。骨折の可能性を否定できない所見でした。
注意:エコー所見は状態把握のためのもので、確定判断は医療機関での精査が必要です。
骨折が疑われる場合は、骨折に準じた応急対応を優先します。

当院での応急対応

① 固定:Jシーネ固定

骨折の可能性を考慮し、Jシーネで足関節を安定させました。

② 痛み・腫れへのアプローチ

  • ハイボルト(高電圧刺激):急性期の疼痛・腫脹への対応
  • アイシング:炎症の進行を抑制

③ 松葉杖の貸与と歩行指導(無償)

IMG_5932.JPG
両松葉・片松葉・階段動作など、状況に合わせて丁寧にレクチャーします。
  • 杖の長さ合わせ(腋窩2〜3横指の余裕)
  • 三点歩行の基本(杖→患側→健側の順)
  • 段差・階段のコツ(上がる時は健側先行/下りは患側先行)

※担当者は松葉杖使用経験が長く、実践的なコツまでお伝えできます。

医療機関との連携

ご自宅が当院から遠方であること、紹介先のご希望が明確でなかったため、
状態・骨折の可能性を記載した施術情報提供書を作成し、ご自宅近くの整形外科受診をお勧めしました。

当院の方針(急患対応について)

当院は予約優先ですが、急なお怪我はお断りしません
お時間をいただく場合がありますが、超音波での状態確認→応急固定→連携書類の作成まで責任をもって対応します。

受傷直後のセルフケア(RICEの考え方)

  • Rest:無理に歩かない・動かさない
  • Ice:保冷剤などで10〜15分冷却、間をあけて数セット
  • Compression:包帯や弾性テープで軽圧(強すぎない)
  • Elevation:心臓より高く挙上して腫れを軽減

※本ページは柔道整復師による応急対応の紹介であり、診断や治癒を保証するものではありません。
骨折が疑われる場合や症状が強い場合は、医療機関での精密検査・処置が必要です。