症例報告(11/19UP)
肩関節腱板損傷~なかなか治らない、根気のいる治療~
先日来院された患者さんですが、1年前に右肩が急に痛くなり、四十肩だと思い医療機関にはかからず良くなるのを待っていたそうです。その間、趣味の野球を肩が痛いながら続けていましたが、2カ月ほど前に強くボールを投げた際に、右肩の痛みが強くなってしまい、腕の上りが悪くなってしまい、心配になり来院されました。
まずは徒手検査で、有痛弧は陰性でしたが、挙上時痛が強く、屈曲で110°、外転で95°、後挙(伸展+内旋)では母指がL5までしか挙がりませんでした。他、スピードテスト、ドロップアーム、リフトオフの各テストは陰性でしたが、インピンジメントサインで陽性。
また、棘下筋筋腹部と大結節外側部に圧痛、外旋内旋ともにROM制限が見られました。
有痛弧での陰性が引っ掛かりますが、もちろんエコーでも確認。
すると・・・棘上筋は綺麗な状態でしたが、棘下筋腱部での損傷が認められました。
おそらく、いわゆる四十肩で肩の変性が起こっていたところに、投球により腱板に強い負荷がかかり損傷を起こしてしまったようです。
エコーにて棘下筋の連続性はみられるため、完全断裂はしていないようなので、このまま保存的治療で様子を見ていくことに。
もちろん、肩関節を使わないことに越したことはないですが、それではROMの低下を招くし、そもそも肩を使わない場合、QOLが著しく低下してしまいます。
当院では、運動療法+ラジオ波で関節の柔軟性確保と治癒促進を、痛みに関してはハイボルトをあてて、治療を行うことにしております。
そうすることで、治療期間が長引くことが多く根気と忍耐力が必要と言われる肩関節損傷に、少しでも楽な状態で、後遺症も残さず、長い治療期間を乗り切ってほしいと考えております。