症例報告(5/15UP)

2025-09-12 08:47:00

肋骨骨折の症例報告|LIPUSで早期回復をめざした例

 胸を打った後の痛み、実は肋骨骨折|LIPUSで早期回復をめざした例

駅の階段で胸を強打した60代男性。エコーで骨の不正像を確認し整形外科と連携。 固定とLIPUSを併用し、2週で骨癒合・3週で疼痛消失と通常より早い回復を得られた症例です。

今回のケース

60代男性。駅の階段で友人を支えようとして転倒し胸部を打撲。来院時は寝返り痛、深呼吸時痛、背部痛が強く、 第10肋骨に限局した圧痛を認めました。聴診・観察で呼吸音の左右差や呼吸困難はなく、気胸・血胸を疑う所見は認めませんでした。 エコーで骨の不正像を確認し、整形外科で骨折の診断。整形外科で用いられるものと同等の胸部バストバンドで固定し、施療を開始しました。

階段で転倒し胸を押さえるイメージ
導入イメージ(フリー素材)

経過の流れ

  • 1週:仮骨形成をエコーで確認、疼痛軽減
  • 2週:骨癒合をほぼ確認、圧痛±・深呼吸時痛(-)
  • 3週:疼痛(-)。胸部の張り感に対してラジオ波で機能回復を図り、日常生活へ復帰
肋骨骨折の回復タイムライン:一般的経過と今回の比較
当院作成:回復タイムライン比較

LIPUS(低出力パルス超音波)併用について

  • 非侵襲・短時間で実施可能
  • 骨癒合の促進が報告され、平均約40%の治癒期間短縮が示唆されています
  • 遷延治癒・偽関節にも応用されます

肋骨は皮下直下にあるため超音波が届きやすく、臨床的に効果を実感しやすい部位と考えています(個人の臨床所感)。

肋骨部にLIPUSを当てている施術風景(院内写真)
院内写真:LIPUS施術イメージ
一般的な治癒期間4週と今回3週の比較グラフ
当院作成:治癒期間の比較(一般4週/今回3週)

気胸・血胸:見落としたくないサイン

  • 気胸:急な息苦しさ/片側の呼吸音減弱/胸の張り感
  • 血胸:強い胸痛/呼吸苦/体位で悪化する呼吸困難

疑われる場合は医療機関での画像検査が必要です。当院では所見に応じて速やかに対診します。

よくあるご質問

肋骨骨折は放置しても治りますか?
多くは自然経過で癒合しますが、固定不足で痛みが長引くことがあります。呼吸で動く部位のため、適切な固定と経過観察が大切です。
LIPUSは誰でも受けられますか?
施療の適否は状態により判断します。必要に応じて整形外科と連携しながら進めます。

こんな症状はご相談ください

  • 寝返りや深呼吸で胸がズキッと痛む
  • 咳・くしゃみで胸の片側が強く痛む
  • 胸の一点に押すと強い痛み(圧痛)がある

 

 

当院からのご案内:
接骨院では診断行為は行いません。骨折が疑われる場合は整形外科と連携し、対診のうえ施療を行います。効果には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。広告ガイドライン(あはき・柔整)に基づき、誤認を招く表現を避けています。

参考文献

Heckman JD, Ryaby JP, McCabe J, Frey JJ, Kilcoyne RF. Acceleration of tibial fracture-healing by non-invasive, low-intensity pulsed ultrasound. J Bone Joint Surg Am. 1994;76(1):26–34.

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