手の外来/手の怪我専門/ばね指・腱鞘炎・CM関節症・骨折後リハビリでお困りの方
★ばね指とは?
指には指の関節を曲げる屈筋腱と、その腱の跳ね上がりを抑えているトンネルのような腱鞘があります。このうち、腱鞘が何らかの原因で肥厚してくると次第に屈筋腱が締め付けられ動きが悪くなり、屈筋腱自体が肥大化し、腱鞘のトンネルを通りにくくなってきます。
そうすると、曲げ伸ばしの際に肥大化した腱が腱鞘にひっかかり、指に力を入れた際に引っ掛かりが外れ、ガックンとばねが弾けたような状態を呈すため、ばね指と言われています。
一般的には、オーバーユース(使い過ぎ)が原因と言われていますが、中でも出産前後、更年期の女性に多発するため、女性ホルモンとの関連性も疑われています。その他では、糖尿病の方にも起こることが多いと言われています。
前者の場合は、治療による予後は良好なことが多いのですが、後者のような女性ホルモンの影響を受けた場合は糖尿病性の場合はなかなか難渋することが多く、根気よく治療していく必要性があります。
★ばね指の治療法
ばね指の治療法には
①保存療法
②注射療法
③手術
が挙げられます。
②の注射療法ですが、保存療法の一種とも捉えられますが、医科においては第一に選択されることが多く、また一定上の効果も望めます。
方法としては、炎症を起こし肥大化した屈筋腱にステロイド剤と麻酔剤を混合した液(ケナコルトとキシロカインの組み合わせが多い様です)を打ち込みます。打った瞬間から痛みが消失し、動きも改善します。が、やはり効果がない方もおり、その場合、ステロイド剤の多用は副作用が心配され(腱が自己融解し断裂してしまう)とくにケナコルトは持続性が高く長期に渡って注射療法が行えなくなります。
また、一時的に炎症を抑えるだけの為、再発率も低くなく、一年以内に30%~50%の確率で再発すると言われています。
③の手術においては、注射療法で効果を望めなかった方において選択されます。
手術方法はいくつかの方法があります。腱鞘切開術や経皮的腱鞘切開術、屈筋腱部分切除術などが行われており、麻酔も局所麻酔のであり入院する必要がなく短時間で終わります。
ただ、簡単なように見えますが、手は手術において「ノーマンズランド(no man's land)」と表現されるように外科的に難しい領域であり、予後において不良になることが多く(すなわち筋腱や靱帯部、神経などの癒着が起きやすい)、痛みは取れたものの指がうまく握れなくなったり伸びなくなったり、痺れが残ったりといった合併症が引き起こされしまう可能性があります。
(日本整形外科学会より https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/snapping_finger.htm)
★保存療法のメリットとデメリット
保存治療のメリットは、非侵襲的なことです。即ち、薬剤などの副作用がなく安全なことです。特に妊産婦さんには第一に薦められる治療法です。また術後リハビリ不足による拘縮などの合併症も避けられます。
対してデメリットといえば、治療が長期化することや、装具固定を行った際にQOL(quality of life:生活の質)が低下してしまうことです。逆に言えば、治療に根気良く付き合うことができ、煩わしい固定装具も最低限のものを使用できれば、デメリットではなくなる、とも言えます。
★当院の治療法
当院ではまず、ばね指のグレードをⅠ~Ⅳの5段階に分け、Ⅰ~Ⅲにおいては保存療法適応と考え当院にて治療を行います。またⅣ~Ⅴの重症度が高いばね指の場合、まずは整形専門医に診てもらい保存適応か手術適応かを判断して頂くことにします。
まず、固定が必要であれば専用の装具を作成し、炎症を起こしている個所にハイボルテージを当てて鎮痛抗炎症を、また筋腱の伸張性が損なわていることが多いため、腱実質や屈筋群にラジオ波と筋腱膜リリースを組み合わせた手技療法にて弛緩させ再発を防ぎます。
①専用の装具またはテーピング固定による安静
②ハイボルトによる鎮痛、抗炎症
③ラジオ波による筋腱部の伸張性の獲得による再発防
以上の施術を週1~2回通院して頂きます。およそ8~16回およそ2ヵ月~3ヵ月で一区切りとして治療を行います。
もちろん、なかなかよくならない方もいらっしゃいますが、根気よく治療を行うことが必要です。
当院が他の整形外科、接骨院、治療院と違うのは、施術にラジオ波を組み合わせている点です。ラジオ波による深部への温熱作用により硬くなった腱や関節を素早く加温し、伸展性が得られるようになります。このことにより、施術時間が短く(ラジオ波5分~10分)、そして効果的な施療が行えます。
★当院での治療例★
50代女性、特に痛めたような原因はなく、最近になって中指と掌の付け根が痛み始めた。
お仕事のレジ打ちの際に痛みが気になる。
MP関節部に圧痛と硬結を認めるものの、弾発症状はなし。
エコーにて確認
当院のグレードにて一番軽度な「Ⅰ」と判断しラジオ波+HV+手技療法で治療を開始。
弾発症状がでていないので固定はテーピングのみで対応。
通院は一週間に二回。
3週間後
3週間経過で疼痛は軽減し、圧痛・硬結ともに消失。
更に一週間後、日常生活にも特に不便を感じなくなったため治癒となった。
軽度の症状だったため、一ヶ月足らずの早期治癒となりました!!
ばね指でお困り方は、一度当院へご相談ください 。
状況によって保険が適応される場合もございます。
詳しくはご相談ください。